...少し反齒(そつぱ)なのを隱さうとする樣に薄い脣を窄(すぼ)めてゐる...
石川啄木 「鳥影」
...醜(わる)く見窄(みすぼ)らしいものであるが...
泉鏡太郎 「大阪まで」
...開いたり窄(すぼ)んだりして只事でないことがよく解る...
魯迅 井上紅梅訳 「明日」
...われ知らず唇を窄(すぼ)めて吹く口笛のやうな...
薄田泣菫 「独楽園」
...肩を小さく窄(すぼ)め...
太宰治 「懶惰の歌留多」
...その見窄らしい義男の姿を心に描いて電車の外の雨に濡れてゐる灯を見詰めてゐた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...義男は自分の見窄(みすぼ)らしさをからかつてゐる樣な女の態度に反感を持つて默つてゐた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...ちやんと此處等のこんな見窄(みすぼ)らしい工場で出來て綺麗なラベルなどを貼られて市場に出てくるのであらう...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...自転車乗の半窄袴(はんズボン)ぐらいのものであった...
徳田秋声 「あらくれ」
...此(この)窄(せま)い山の峡(かい)を深さ二丈も其上もある泥水が怒号(どごう)して押下った当時の凄(すさま)じさが思われる...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...胸をシヤツ胴衣(チヨツキ)に窄(せば)められてコルセツトを着けたるやうに呼吸苦しく...
徳富盧花 「燕尾服着初の記」
...此窄(せま)い山の峽を深さ二丈も其上もある泥水が怒號して押下つた當時の凄じさが思はれる...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...たつはいきなり腕を窄め...
外村繁 「澪標」
...家(うち)も見窄(みすぼ)らしかったが...
二葉亭四迷 「平凡」
...それから「窄き門」のアリサを彷彿せしめるやうな女性なども出てくるからです...
堀辰雄 「更級日記など」
...「出発いたそう」窄(すぼま)った谷底にいた彼らにとって...
本庄陸男 「石狩川」
...曇日(くもりび)なので蝙蝠(かほもり)は窄(すぼ)めたまゝ手(て)にしてゐる故(せい)か...
三島霜川 「虚弱」
...ちやうど見窄らしい...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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