...やがて行く手の波の上にぼんやりと雷電峠の突角が現われ出した...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...これも牛乳のような色の寒い夕靄(ゆうもや)に包まれた雷電峠の突角がいかつく大きく見えだすと...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...彼らはその突角(とっかく)まで行ってまた立停った...
有島武郎 「カインの末裔」
...フランシスとその伴侶(なかま)との礼拝所なるポルチウンクウラの小龕(しょうがん)の灯(ともしび)が遙か下の方に見え始める坂の突角に炬火(たいまつ)を持った四人の教友がクララを待ち受けていた...
有島武郎 「クララの出家」
...突角は洲となり、平野は浅瀬となり谷と峡谷とは深い水と水路とをなした...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...700三たび壁上突角にパートロクロス攀ぢ登り...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...掩護(えんご)のために味方の打ち出した大砲が敵塁の左突角(ひだりとっかく)に中(あた)って五丈ほどの砂煙(すなけむ)りを捲(ま)き上げたのを相図に...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...敵塁の右の端(はじ)の突角の所が朧気(おぼろげ)に見え出した...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...やがて見あげるように高い突角堡(ルダン)の正面に行き着いた...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...頂上がひどく突角(とが)って髪が疎らで頭の地が赤味を帯んでいるのである...
横光利一 「夢もろもろ」
...ぎざ/\した突角となつて終つてゐた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...武田方の突角だ...
吉川英治 「上杉謙信」
...織田軍の最前線基地ともなる突角の地でもあった...
吉川英治 「黒田如水」
...敵地へもっとも近く接近している味方の一突角である...
吉川英治 「黒田如水」
...敵の突角(とっかく)へ向って...
吉川英治 「新書太閤記」
...その突角(とっかく)へ遮(さえぎ)りに向ったが...
吉川英治 「新書太閤記」
...岩の突角でも、そう見えるのではないか...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...山なりに海へ傾斜している半島の突角(とっかく)だった...
吉川英治 「源頼朝」
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