...腹を前に突出して...
石川啄木 「刑余の叔父」
...その指二本突出して...
泉鏡花 「浮舟」
...眞直にぢつと突出してゐるコップに八分目位つがれて泡がコップ一杯に湧いたのを水月は靜かに膳の上に置く...
高濱虚子 「俳諧師」
...八合目を過ぎて胸突八丁にかかってから今迄ただ砂漠を上るような感じのしていた山に岩骨が突出していて...
高浜虚子 「富士登山」
...たとえば妙な紅炎が変にとがった太陽の縁に突出しているところなどは「離れ小島の椰子(やし)の木」とでも言いたかった...
寺田寅彦 「断水の日」
...「神妙に致せ」一人が、棒を突出して、じりじりと寄った...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...顔だけを硝子戸の内に突出して...
永井荷風 「ひかげの花」
...奉行所へ突出して貰ひ度いんで――」「何だと」淺五郎は大變な事を言ひ出しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...無事じゃねえの」幸田は顎を突出して...
久生十蘭 「魔都」
...顋(あご)を突出して...
二葉亭四迷 「平凡」
...すべてに二人の男が突出していた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...妙な顏を突出して...
三島霜川 「解剖室」
...紙を切るためのナイフを手に持つて突出してゐるのがギラギラ見える)貴様達だ!声 (階下から女将の)秋ちやん! 秋ちやん! 何をしてゐるんだよ! 秋ちやん! サツサとして呉れなきや困るぢやないの! お客さんが見えてゐるのよ...
三好十郎 「疵だらけのお秋(四幕)」
...蠅の下へブリキの桶を突出して早く伏せると蠅がコロリと落ちて来ます...
村井弦斎 「食道楽」
...願(ねげ)の賽(さい)の河原に接して大野亀という亀の形をした孤丘が海に突出している...
柳田国男 「雪国の春」
...血に染まった丸坊主の両腕を突出してヨロヨロと立上った...
夢野久作 「オンチ」
...歯朶の中から湯の方へ突出している岩影からじっと身をひそめたままこちらを見詰めている信者の頭に気がついた...
横光利一 「馬車」
...八いかつい大太刀の柄(つか)がしらを反胸(そりむね)に突出して...
吉川英治 「宮本武蔵」
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