...どうもこっちの云い分に空疎な所があるような気がして...
芥川龍之介 「兄貴のような心持」
...種々苦心して考へ出す大小の計畫もまことに空疎なものになつて...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...大きなしかし空疎な幻影を描かしめるものの多いに至つては...
田山録弥 「エンジンの響」
...日本人は東洋人であるという空疎な概念に支配せられているからであろう...
津田左右吉 「東洋文化、東洋思想、東洋史」
...そういう観客には「七月十四日」はかえってはなはだ空疎なものに見えるかもしれない...
寺田寅彦 「映画雑感(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」
...こういう現実味からいうと演劇フィルムは多くははなはだ空疎なものである...
寺田寅彦 「映画時代」
...今度はまた「日本人」という言葉の内容がかなり空疎な散漫なものに思われて来る...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...それは一歩誤れば空疎な言説・科学上の徒らな大言壮語・に堕ちて行く...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...科学論に於て何か空疎なものを人々が感じるであろうことは...
戸坂潤 「科学方法論」
...決して空疎な流行でも何でもないだろう...
戸坂潤 「挙国一致体制と国民生活」
...空疎なフラーゼオロギーによって...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...絢爛ではあるが空疎な作品が生れてくる...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...空疎な生活を送っているので...
豊島与志雄 「好意」
...空疎な腹に散漫な刺戟(しげき)を盛って...
夏目漱石 「明暗」
...いよいよ空疎なものに見えて来るのに気がつかないわけには往かなかった...
堀辰雄 「ほととぎす」
...空疎な気持を抱かないで見ておれまいと思われる程度のシバイである...
三好十郎 「恐怖の季節」
...したがってどんな空疎なる立論をも可能にしたことであろうが...
柳田国男 「海上の道」
...決意は決意だけの空疎なものになり易い...
山本周五郎 「菊屋敷」
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