...想ふに其の生れて世に在るや、沖天の雄志躍々として禁(た)ふる能はず、天下を擧げて之に與ふるも心(こゝろ)慊焉たらざりしものも、一旦魂(こん)絶えて身異物とならば、苔塔墓陰、盈尺の地を守つて寂然として聲なし、人生の空然たる、哀しむべきの至ならずや...
高山樗牛 「人生終に奈何」
...好んで人に嫌(きら)われて……」道也先生は空然(くうぜん)として壁に動く細君の影を見ている...
夏目漱石 「野分」
...決して空然(くうぜん)と遊んでいるものはない...
村井弦斎 「食道楽」
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