...彼女の気持ちは空寂だった...
...彼は空寂な部屋で死んだ...
...この場所の空寂な感じは心に響く...
...空寂な冬の夜、私は暖炉の前で過ごした...
...私たちは空寂な教会で黙祷した...
...空寂に堪へぬやうな感じが其胸を襲うて來た...
高濱虚子 「續俳諧師」
...即今如是如是、自己を求めて不可得、因縁無我、空寂...
種田山頭火 「一草庵日記」
...空寂にたへないので...
種田山頭火 「一草庵日記」
...三輪空寂はその理想だけれど...
種田山頭火 「行乞記」
...せめて二輪空寂になりたい...
種田山頭火 「行乞記」
...ぐうたら手記(覚書)行乞三輪空寂...
種田山頭火 「其中日記」
...生活態度は空寂でありたい...
種田山頭火 「其中日記」
...――宿酔気味――散歩――山口へ――Sさん、Wさん、Fさん、――酔境空寂、――最終バスで帰庵、――風呂敷包も、下駄も、何もかもなくなつてしまつた、――あゝさつぱりした、よかつた!七月廿三日晴...
種田山頭火 「旅日記」
...彼女がうっとりしてる空寂の境地を乱して...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ところで、空寂と、沈静と、茫漠と、暗黒と、孤独とは、形の通りで、弁信なればこそ、仔細らしく耳を傾けて何物をか聞き取ろうと構えているように見えるものの、余人であってみれば、聞き取るべき一言もなく、澄まし込むべき四方(あたり)の混濁(こんだく)というものの全然ない世界ですから、もし弁信の耳が、この間から何物をか聞き得たとすれば、それは彼の耳の中からおのずから起ってくる雑音を、彼自身が、自己妄想的に聞き操っているに過ぎないので、この点は、かの清澄の茂太郎が、反芻的(はんすうてき)に即興の歌をうたうのと同じことなのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...冬は零下四十八度まで下るので空寂たる無住の凍原となり...
久生十蘭 「新西遊記」
...空寂...
久生十蘭 「地底獣国」
...空寂への大機動(マヌウヴル)……かくいう自分は...
久生十蘭 「南極記」
...空寂な世界だった...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...間もなく一切の万象(ものみな)が空寂の底に沈んでしまつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...その空寂の裡に彼は能く神々を拉(らつ)し来(きた)った...
ホーフマンスタール Hugo von Hofmannsthal 木下杢太郎訳 「チチアンの死」
...かかるは如何でか無為空寂をよろこぶ世捨人(よすてびと)の歌ならんや...
與謝野禮嚴 「禮嚴法師歌集」
...其空寂の中に包まれて...
吉江喬松 「山岳美觀」
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