...○人間の生活とは畢竟水に溺れて一片の藁にすがらうとする空しいはかない努力ではないのか...
有島武郎 「運命と人」
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伊東静雄 「わがひとに与ふる哀歌」
...空しい枝の桑畠にはつぐみが鳴き...
田山花袋 「田舎教師」
...その空しい岩の上には...
田山録弥 「波の音」
...しかしこの空しいもののために...
外村繁 「澪標」
...夢のような空しい愛情だけを持つことにしよう...
豊島与志雄 「白木蓮」
...寂しい空しい心地でまた帰ってくると...
豊島与志雄 「反抗」
...宛(さなが)ら山吹の花の実もなき色香を誇るに等しい放蕩(ほうとう)の生涯からは空しい痴情(ちじょう)の夢の名残はあっても...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...希望をもつことは空しいといって...
久生十蘭 「だいこん」
...空しい好意! かねてから願つてゐたのに...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...空しい目を上げて...
堀辰雄 「曠野」
...おそらく彼等は彼等の生を空しい或は辛い夢(そのために彼等は何時も餘計に疲れたやうに...
堀辰雄 「色褪せた書簡箋に」
...空しい約束で――...
牧野信一 「川を遡りて」
...何と私にとつて空しい思ひか――と私は唇を噛まずには居られなかつた...
牧野信一 「タンタレスの春」
...それは空しいエロ風景だな...
牧野信一 「南風譜」
...私のこの空しい努力はいつも果されなかった...
室生犀星 「幼年時代」
...まき立つ吹雪だけが空しい舞を舞っている……大弐がいるとすればあの望翠楼だ...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...空しい諦(あきら)めの心をいだいて...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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