...確乎たる思想上の根柢を有せざる實行の生活も亦空しい...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...○人間の生活とは畢竟水に溺れて一片の藁にすがらうとする空しいはかない努力ではないのか...
有島武郎 「運命と人」
...内容の空しいのを知らない樣な理想家ではない...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...その声が空しい反響を呼んだ...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...太郎は三日も四日も空しい努力をして五日目にあきらめた...
太宰治 「ロマネスク」
...その空しい岩の上には...
田山録弥 「波の音」
...青銅のように自分の形を固持する形式ではなくして封蝋のように空しい質料が夫である...
戸坂潤 「性格としての空間」
...しかしこの空しいもののために...
外村繁 「澪標」
...寂しい空しい心地でまた帰ってくると...
豊島与志雄 「反抗」
...身を動かす度に心の中の空しい寂寞さがゆらゆらと揺(ゆら)いで...
豊島与志雄 「反抗」
...自分がいないその丁度空しいところに...
豊島与志雄 「文学以前」
...いかにも空しい気がする...
久生十蘭 「奥の海」
...首を振つて幻を消さんとする努力も空しい...
北條民雄 「童貞記」
...何処へ昇つて行くのか解らない空しい階段の一端を眼にでもしてゐるかのやうな...
牧野信一 「熱い風」
...私のこの空しい努力はいつも果されなかった...
室生犀星 「幼年時代」
...すべてが「空しい」ということに気がつくのだ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...やがて疲れた人々の顔に空しい色がありありと読まれています...
吉川英治 「江戸三国志」
...今はその空しいことを知って声をあげて号泣した...
吉川英治 「三国志」
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