...その声が空しい反響を呼んだ...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...・耳垢を掌(て)にのせて夜のふかく・ふつと挙げた手で空しい手で一月十二日眠れないから考へる...
種田山頭火 「其中日記」
...想(おも)えば先生の椅子(いす)は最早(もう)永久に空しいのです...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...しかしこの空しいもののために...
外村繁 「澪標」
...然しそういう空しい幻はやがて崩壊してしまって...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...ただ静かな晴々とした空しい世界だ……...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...そしてその空しい穴を充たすべき新らしい偶像がまだうち立てられていないからだ...
豊島与志雄 「偶像に就ての雑感」
...何でも改良呼ばゝりの空しい聲も...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...空しい努力を続けて居ります...
野村胡堂 「死の予告」
...企図は総て空しいものとされてしまった...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...それも空しい努力だ! この世にドニェープルを覆ひ匿すことの出来るものはない...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...出口をめがけての空しい殺到...
堀辰雄 「春日遲々」
...彼はその空しい淵にゆられて真空の空のあなたこなたに吹き迷わされる鳥の羽のようであった...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「精」
...それは空しいことではないのか……こう考えた時...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
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三好達治 「山果集」
...ついに空しい結果に終るであろう...
柳宗悦 「工藝の道」
...遂に空しい望みを抱いたまま...
山本周五郎 「青べか日記」
...全く空しい気持ちになって自然力に従う場合が今だと思う...
横光利一 「欧洲紀行」
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