...顔や胸を泥に穢したまま鳩尾(みぞおち)をフイゴのように脹(ふく)らしたり凹(へこ)めたりしながら...
大阪圭吉 「坑鬼」
...汚穢不浄ノ身ヲ以テ伽藍ニ渉登シ...
谷崎潤一郎 「覚海上人天狗になる事」
...警護の穢多に向い...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...その当時だって穢らわしかった...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...わたしが『昨日の穢らわしい出来事』に対して...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...ヤレ穢(けが)れるのと...
中里介山 「大菩薩峠」
...どことなく穢((けが))らはしい貴重な品の数々も貞純にして水色の少女の夢を破るのであつた...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...穢い話だが嘔吐を催す...
南部修太郎 「疑惑」
...おれは決してあんな穢ならしいものは食わないからね...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...穢多に革細工之(これ)を喩(たと)えば革細工(かわざいく)だから穢多(えた)にさせると云(い)うと同じ事で...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...若年の時真言宗の金剛界曼陀羅を見ても何の事か分らず、在英中土宜法竜僧正から『曼荼羅私鈔』を受け読み噛(かじ)ると、塔中(たっちゅう)三十七尊を記せる内、阿(あしゅく)、宝生、無量寿、不空成就(ふくうじょうじゅ)の四仏が嬉(け)鬘(まん)歌(か)舞(ぶ)の四菩薩を流出して大日如来を供養し(内四供養(うちのしくよう))、大日如来件(くだん)の四仏を供養せんとて香(こう)華(げ)燈(とう)塗(ず)の四菩薩を流出す(外四供養(そとのしくよう))、塗(ず)とは、〈不空成就仏、塗香を以て供養す、釈迦穢土に出で、衆生を利益せんと、濁乱の境界に親近す、故に塗香を以て穢濁を清む、この故に塗香を以て供養するなり〉とあった...
南方熊楠 「十二支考」
...トコトンの一番しめえに、人をぶっ倒しても、こんだ他人からぶっ倒されねえ者と言えば、百姓、人足、職人、穢多、非人なんどのホントの文無しの者だ...
三好十郎 「斬られの仙太」
...もう少し早く伺うつもりだったのですが神事などで御所の中の忙しいころに触穢(しょくえ)のはばかりに引きこもらなければならなくなりますのもいかがと遠慮がいたされましたし...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...むしろ穢い物を見る無関心さで鼻先でふふんとあしらった...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...鮮血の網を引被(ひっかぶ)ったまま穢(よご)れたピストルをシッカリと握って...
夢野久作 「S岬西洋婦人絞殺事件」
...こうして初めから穢(よご)された...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...亡君の御名を穢(けが)すものとは...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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