...白髪(しらが)の形相恐ろしき婆((ママ))が薄穢(うすぎた)ない垢(あか)だらけの着物を引摺ってノソノソ出かけて来て...
押川春浪補 「本州横断 痛快徒歩旅行」
...このなかに穢(きた)ない銭(ぜに)は一文もない」というて子供に遺産を渡したそうですが...
内村鑑三 「後世への最大遺物」
...既に薄穢い半狂人であった...
太宰治 「東京八景」
...穢(けが)れておりますが」「なに...
田中貢太郎 「不動像の行方」
...自分の熱愛しているアンナの夫のカレニンの風貌(ふうぼう)を見て穢(けが)らわしい心持になったと同じような気がして...
近松秋江 「狂乱」
...「フランス人て実に穢(けが)らわしい奴らだ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そのうす穢い尿の匂いまで交っていた...
豊島与志雄 「人間繁栄」
...穢土厭離(ゑどおんり)...
長谷川時雨 「尼たちへの消息」
...身についた汚穢(おわい)は堪らなかった...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...おれは決してあんな穢ならしいものは食わないからね...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...穢多に革細工之(これ)を喩(たと)えば革細工(かわざいく)だから穢多(えた)にさせると云(い)うと同じ事で...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...その身の穢(けが)れた上は...
堀辰雄 「ほととぎす」
...最も穢い世俗的愛嬌の下に無理解以上の反歴史性をためこんだ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...子どもはまた触穢(しょくえ)の忌(いみ)に対して成人ほどに敏感でないと考えられて...
柳田国男 「こども風土記」
...単に自分が血の穢れ又は喪の穢れに触れてはならぬのみで無く...
柳田國男 「祭のさまざま」
...当大学第一回の卒業論文銓衡(せんこう)の神聖を穢(けが)す者は...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...……況(ま)して……まして……こんな穢(けが)らわしい研究の発表なんぞ……ダ……誰が……エエッ……」「……マ……待て……」正木博士が座ったまま...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...残水(ざんすい)の小魚(しょうぎょ)食を貪(むさぼ)って時に渇(かわ)くを知らず糞中の穢虫(えちゅう)居(きょ)を争って外(そと)の清きを知らず達筆にかいてある西仏の手がみの中には...
吉川英治 「親鸞」
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