...唯危く接穗されてゐるに過ぎない事を見て果敢さを感じた事はなかつたか...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...寄せくる浪の穗頭を...
石川啄木 「漂泊」
...浪の穗頭を見渡して居る...
石川啄木 「漂泊」
...稻穗のよく實る水田が廣がつてゐる栗山や由仁(ゆに)を通過する時...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...余、百穗と共に赴く...
大町桂月 「十和田湖」
...國割石の上より、北に足穗、加波の連山を見下し、峯上を西に下れば、女體、寶珠の二峯、突兀として天を摩すと見る間に、白雲飛び來て、寶珠嶽を呑み、將に女體峯を襲はむとす...
大町桂月 「春の筑波山」
...麥の穗も出る夏の朝...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...彼の手中の長き槍、黄銅の穗は耀きて、穗先の根元、黄金の環をらせり、其槍に 495身をもたせつゝヘクトール、トロイア軍に宣んしいふ、『ダルダニエーとトロイアの軍勢及び諸援軍、わが言を聞け、アカイアの軍船軍勢亡ぼして、風すさまじきイリオンに歸陣なすべく我曰へり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...更に手にするおほいなる二條の槍は青銅の穗先鋭く爛々と光放ちて空高く冲す...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...兜(かぶと)は槍を防ぎ得ず鋭き穗先突き入りて...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...鋭く長き槍はその根元に於て穗を碎く――デーイポボスは剛勇のメーリオネース突く槍を恐るるあまり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...畑の境の茶のうね/\には白い菅笠がならんで麥の穗の上にふわ/\と動いて居る...
長塚節 「芋掘り」
...豆の葉は黄ばんで稗や粟の穗が傾いて居る...
長塚節 「松蟲草」
...それが轉げ落ちちや一とたまりもありませんや、綱田屋五郎次郎、首の骨を折つて一ぺんにキユーツと參つた」「まるで猿蟹(さるかに)合戰だ」「猿蟹合戰?」「始めは花火玉で、次は槍の穗で、今度は臼だらう」「へエ?」「昔噺(むかしばなし)で行くと、どん粟と蜂と臼ぢやないか、――念入りに企(たく)らんだな...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...馬鹿(ばか)をお言(い)ひでない人(ひと)のお初穗(はつう)を着(き)ると出世(しゆつせ)が出來(でき)ないと言(い)ふではないか...
樋口一葉 「わかれ道」
...その麥畑までよく散歩に出かけるが早いもんで麥の穗はだいぶ重くなつたと喋つた...
室生犀星 「はるあはれ」
...チジョは落穗米又は掃き米のことだといふ...
柳田國男 「食料名彙」
...麥の穗が風にさらさらと渡つて旅人の笠を吹く...
吉江喬松 「山岳美觀」
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