...私はこの虫の稚拙な鳴声を一度立聴したいものだと思つて...
薄田泣菫 「独楽園」
...僕の稚拙な筆をもどかしがり...
太宰治 「道化の華」
...たど/\しい稚拙な書き方であるけれども...
谷崎潤一郎 「三人法師」
...「自然」を実験室内に捕えきたってあらゆる稚拙な「試み」を「実験」の試練にかけて篩(ふる)い分けるという事...
寺田寅彦 「比較言語学における統計的研究法の可能性について」
...きわめて稚拙なロシア出来の石版画が...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...自分の作品の上の技巧はかえって稚拙なもので...
林芙美子 「文学的自叙伝」
...紙の表には稚拙な筆で牛頭馬頭と...
久生十蘭 「魔都」
...金釘流の稚拙な文字でこんなふうに書かれてあったのである...
久生十蘭 「魔都」
...稚拙な彫りのある椅子などを見れば分かる...
堀辰雄 「恢復期」
...)苦るし紛れにそんな稚拙な逃場を想像して...
牧野信一 「眠い一日」
...丁度他人(ひと)と言葉を交へる時と同じやうに稚拙な文章が廻りくどかつたりして折角の感興にそぐはなかつた...
牧野信一 「雪景色」
...彼柳丸には稚拙な笑い絵を描いては仲間に無料でくれてやる道楽があって...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...その代わり高座でもよく稚拙な絵の曲描きはやっていた...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...稚拙なるは無心を意味し...
柳宗悦 「工藝の道」
...稚拙な味(あじわ)いがあるからだと云えるのです...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...稚拙な、子どものような仮名文字で、やっと、短いことばを書きつづった...
吉川英治 「私本太平記」
...しかし稚拙ながらにも...
和辻哲郎 「人物埴輪の眼」
...これらの稚拙な埴輪人形を作っていた民族が...
和辻哲郎 「人物埴輪の眼」
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