...私はこの虫の稚拙な鳴声を一度立聴したいものだと思つて...
薄田泣菫 「独楽園」
...しかも稚拙な直譯である...
太宰治 「猿面冠者」
...この稚拙なグロテスクのスケッチはけだし傑作であったと思う...
寺田寅彦 「蒸発皿」
...「自然」を実験室内に捕えきたってあらゆる稚拙な「試み」を「実験」の試練にかけて篩(ふる)い分けるという事...
寺田寅彦 「比較言語学における統計的研究法の可能性について」
...稚拙ながらも問題を持たぬから...
戸坂潤 「現代科学教育論」
...ピアノ協奏曲ショパンの協奏曲はその管弦楽の処理が稚拙なために...
野村胡堂 「楽聖物語」
...「この筆蹟(て)に覚えはありませんか」「全く見たことも無い拙い字で」それは子供の手習字のような稚拙な文字で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...自分の作品の上の技巧はかえって稚拙なもので...
林芙美子 「文学的自叙伝」
...紙の表には稚拙な筆で牛頭馬頭と...
久生十蘭 「魔都」
...その紙片には殊さららしい稚拙な文字で...
久生十蘭 「魔都」
...それに彫られてある模様の稚拙な感じと云い...
堀辰雄 「恢復期」
...この間も昔通りに稚拙な和文で暢気な手紙を寄来したNへの返事で...
牧野信一 「悪筆」
...不思議なことには何んな稚拙な作品であつても...
牧野信一 「月評」
...稚拙なるは無心を意味し...
柳宗悦 「工藝の道」
...稚拙な、子どものような仮名文字で、やっと、短いことばを書きつづった...
吉川英治 「私本太平記」
...文章の余りに稚拙なところや...
吉川英治 「茶漬三略」
...あの稚拙な人物像を...
和辻哲郎 「人物埴輪の眼」
...これらの稚拙な埴輪人形を作っていた民族が...
和辻哲郎 「人物埴輪の眼」
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