...稚い時から極く穏(おとな)しい性質で...
石川啄木 「天鵞絨」
...言葉も幼稚だし、字も知らない...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...逆にわざわざ稚拙をたくんだ...
高村光太郎 「書について」
...何という心得違いをいうぞといった○春松検校の家は靱(うつぼ)にあって道修町の鵙屋の店からは十丁ほどの距離(きょり)であったが春琴は毎日丁稚(でっち)に手を曳(ひ)かれて稽古に通ったその丁稚というのが当時佐助と云った少年で後の温井検校であり...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...佐助は五六人の手代や丁稚共と立つと頭がつかえるような低い狭(せま)い部屋へ寝るので彼等(かれら)の眠(ねむ)りを妨(さまた)げぬことを条件として内証にしておいてくれるように頼んだ...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...丁稚(でっち)奉公をしてからこのかた彼の頭脳(あたま)に強く染(し)み込んでいた...
徳田秋声 「新世帯」
...なお至極幼稚であった哲学的・歴史的・社会的・諸科学――其の他の科学は無論のこと――の無条件的な研究所であり得た...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...軍隊の幼稚園の臭みをもっていた...
永井隆 「この子を残して」
...稚拙極まる菩薩を素材の中から湧出せしめて...
中里介山 「大菩薩峠」
...手代喜三郎以下多勢の丁稚(でつち)小僧を指圖して益々身代を太らせるばかり...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彦根城下の小学校か幼稚園から...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...それに彫られてある模樣の稚拙な感じと云ひ...
堀辰雄 「恢復期」
...作者の心持が稚くても...
宮本百合子 「稚いが地味でよい」
...全体御幼稚で、男性に対して何の警戒もあそばさなかったものですから、長い年月をかけた恋とは申しながら、こうまで進んだ関係になろうとはあちらも考えておいでにならなかったことでございますよ...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...單なる外遊びの幼稚な連中は...
柳田國男 「兒童語彙解説」
...稚拙(ちせつ)な文字と...
吉川英治 「黒田如水」
...とかく幼稚に思われてならなかった孫権がいつのまにかかくの如き大腹中の人となってきたことが...
吉川英治 「三国志」
...このようなことは彼らの内生の幼稚をほかにして解釈のしようがない...
和辻哲郎 「「自然」を深めよ」
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