...彼のいわゆる幼稚なセンティメンタリズムは...
伊藤野枝 「転機」
...すべて経済上の発達はよほど幼稚である...
大隈重信 「東亜の平和を論ず」
...大久保の子供達は皆稚(をさな)い...
薄田泣菫 「茶話」
...自分の知識は未だ幼稚である...
太宰治 「惜別」
...さういふことはあまりに幼稚過ぎると思はれるかも知れない...
田山録弥 「私の考へてゐる事」
...しかし現代の子供の絵本のあくどい色刷りなどに比較して考えるとむしろ一種稚拙にひなびた風趣のあるものであったようにも思われる...
寺田寅彦 「物売りの声」
...稚拙ながらも問題を持たぬから...
戸坂潤 「現代科学教育論」
...今日(こんにち)上野博物館の構内に残っている松は寛永寺(かんえいじ)の旭(あさひ)の松(まつ)または稚児(ちご)の松(まつ)とも称せられたものとやら...
永井荷風 「日和下駄」
...御嬢さんでも丁稚(でっち)でも...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...伜の幾松は俵屋に丁稚奉公に出しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...稚拙ながら、著者の天分を窺ふに足る作品であつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...そしてそれが一種のいい稚拙感を出してゐて...
堀辰雄 「ハイネが何處かで」
...丁度他人(ひと)と言葉を交へる時と同じやうに稚拙な文章が廻りくどかつたりして折角の感興にそぐはなかつた...
牧野信一 「雪景色」
...御幼稚な態度をお改めにならないのを私は宮様のために惜しむ」などと大将が責めるのに道理があるように少将は思い...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...御堂關白の「榮華物語」といひ、入道相國清盛の平家一門榮華を極めたといはれることなどでも、あの時分には、よく榮華といふ言葉が使はれてをりますが、この榮華といふ言葉にしてもこれをいささか唯物的に考へますと、この“榮華”すらも今日の我々の實生活から比較してみますると、實に幼稚な、他愛のない榮華でもあつたのであります...
吉川英治 「折々の記」
...むしろ愛すべき稚気(ちき)――と恕(ゆる)しているような寛度で...
吉川英治 「新書太閤記」
...何ですか」暴れ廻っていた稚子は七...
吉川英治 「源頼朝」
...『日本霊異記(にほんりょういき)』は書き方の幼稚な書であるが...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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