...稍(やや)淡(あわ)い影ではありましたが...
海野十三 「崩れる鬼影」
...漸く八郡に渉る所の調査が稍々出來ましたから...
田中正造 「公益に有害の鑛業を停止せざる儀に付質問書」
...その向ふに稍高手になつた畑地...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...政治社会に於ける態度の稍々保守に傾きたるは事実に近かし公は最近数年間に起れる政変に於て...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...昨夜は稍眠れた...
中島敦 「かめれおん日記」
...偶(たまたま)夜(よる)の雨(あめ)が歇(や)んでふうわりと軟(やはら)かな空(そら)が蒼(あを)く割(わ)れて稍(やゝ)昇(のぼ)つた其(その)暖(あたゝ)かな日(ひ)が斜(なゝめ)に射(さ)し掛(か)けると...
長塚節 「土」
...稍(やや)特殊的傾向を帯びるだけに複雑であった...
夏目漱石 「それから」
...大胆率直な内容と稍唐突奇矯な表現とを以て一世を驚倒させ毀誉相半ばしたものであるが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...稍ともすれば脚がすくんで...
牧野信一 「女に臆病な男」
...稍暫し返答に迷つた後に...
牧野信一 「その村を憶ひて」
...一同の物腰態度は稍円熟の境に達して...
牧野信一 「南風譜」
...稍投げ出す調子で隆造が云ふと...
牧野信一 「白明」
...踊り子等といふ言葉を口にすると稍ともすれば飛んだ艶かしい空想を強ひられるのが街頭での常識ですが...
牧野信一 「舞踏学校見物」
...稍ともするとあたりの深緑樹が海底の藻草に化して彼の寝床を包んだ...
牧野信一 「籔のほとり」
...村の名前さへ稍朧ろ気であるが...
牧野信一 「るい」
...その光景を見損つたのは稍遺憾の思ひであつた...
牧野信一 「老猾抄」
...今は稍(やゝ)これを得たるかと思はるゝに...
森鴎外 「舞姫」
...稍(やや)落ち付き侍りし今宵(こよい)の事...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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