...稍あつて靜子はしみじみ言ふ...
石川啄木 「鳥影」
...常に稍々新鮮な空気を呼吸して生活し得るやうにすれば...
丘浅次郎 「自然の復讐」
...文太郎は稍朦朧とした瞳にぢつと春三郎を見て...
高濱虚子 「續俳諧師」
...増田は稍出張つた齒をむいて挨拶し...
高濱虚子 「俳諧師」
...只細君が稍不平なのは何々會社假事務所といふ立派な札が星野の家の門口に掛つてゐることで...
高濱虚子 「俳諧師」
...彼等が一般聚落の地から稍離れた處に産屋を建てて産婦を別火せしめた事は古事記以來の文獻に著しい古俗である...
竹内勝太郎 「淡路人形座訪問」
...従って実際には平均値的な知識人よりも稍々高い知識水準を有っているかも知れぬ...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...好んで横町や路地の間道(かんだう)を抜けて見る面白さと稍(やゝ)似たものであらう...
永井荷風 「水 附渡船」
...稍物いふに馴れしごとし...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...「すこし又話したい事があるから来て下さい」と前よりは稍(やや)真面目(まじめ)に云って代助は三千代と別れた...
夏目漱石 「それから」
...稍まだかたい實の青さに...
長谷川時雨 「桃」
...稍々鋭く追求した...
牧野信一 「毒気」
...稍ともするとどつちつかずのものになつてしまふおそれが多いと...
牧野信一 「浪曼的月評」
...古今集以後にては新古今稍すぐれたりと相見え候...
正岡子規 「再び歌よみに与ふる書」
...稍(やや)寂しい顔が...
森鴎外 「雁」
...稍(やや)成長してから...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
...福太郎は茫然となったまま稍(やや)暫らくの間そんな光景を見廻していたが...
夢野久作 「斜坑」
...少くも大衆文學の稍々優れたものと...
吉川英治 「折々の記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??