...連絡をとるのに稍(やや)困難を覚(おぼ)えた...
海野十三 「間諜座事件」
...それ故哲学と科学とを区別しようとする現代的な着眼は今の場合稍々当違いな結果を惹き起こすことに終るであろう...
戸坂潤 「科学方法論」
...「国防と財政との調整に就いて稍々誤解の向きもあるようで...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...稍々狹隘自重に過ぎたるの嫌あれども...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...大隈伯稍々板垣伯に優れるものあり何となれば...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...首領品川子は稍々保守主義に近く...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...山県公爵は稍々是れに類する政治家なり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...薙刀つかひは稍おくれて薙刀を杖(ママ)いたまゝ左の手で胴を一寸搖かして居るといきなりパカ……と薙刀を打つ倒して飛び込みざま腦天をしたゝか打ち据ゑた...
長塚節 「撃劍興行」
...乘地(のりぢ)に成(な)つて居(ゐ)た爺(ぢい)さんは少(すこ)し白(しろ)い膜(まく)を以(もつ)て掩(おほ)はれた樣(やう)な眼(め)を(みは)つて稍(やゝ)辟易(へきえき)した...
長塚節 「土」
...稍々あつて男――もう今では夫...
中原中也 「夢」
...岩の上が三坪ばかり稍々平らになつてゐる...
沼井鐵太郎 「黒岩山を探る」
...今稍(やや)真面目になれ得たと思うのは...
二葉亭四迷 「平凡」
...稍ともすればおろ/\として空を見あげたり...
牧野信一 「早春のひところ」
...此名前は幼年の時代に稍ともすれば聞かされたものだ...
牧野信一 「その村を憶ひて」
...それにしても稍ともすれば怪し気な英語などを叫ぶが...
牧野信一 「貧しき日録」
...稍ともすれば架空的な感想を吐いたり...
牧野信一 「「三田文学」と巌谷夫人」
...如何になるらんと心をなやます内に舟は逆巻く奔流を押しきつて稍々河幅濶くなれば一群の人河原に立ちてがや/\と騒ぐさまなり...
正岡子規 「かけはしの記」
...顏も顴骨(くわんこつ)が稍出張つてゐるのが疵であるが...
森鴎外 「ぢいさんばあさん」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??