...この重心を稍(やや)通りすぎるに足るくらいのエネルギーを人工竜巻に与えることにより...
海野十三 「地軸作戦」
...稍や類似の説話を有す...
高木敏雄 「比較神話学」
...稍ありて顔色かへてむくりとばかりおき上り...
田澤稲舟 「五大堂」
...毎日午後家を出で葛飾八幡また白幡天神境内の緑蔭に至り日の稍傾くころ歸る...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...地盤の稍(やや)小高くなった処に御成座敷と称える一棟がある...
永井荷風 「百花園」
...「すこし又話したい事があるから来て下さい」と前よりは稍(やや)真面目(まじめ)に云って代助は三千代と別れた...
夏目漱石 「それから」
...稍々(やや)学問あり智識ありながら...
二葉亭四迷 「浮雲」
...今稍(やや)真面目になれ得たと思うのは...
二葉亭四迷 「平凡」
...稍ともすれば胸に畳み込んでしまひたい...
牧野信一 「「樫の芽生え」を読みて」
...一同の物腰態度は稍円熟の境に達して...
牧野信一 「南風譜」
...稍ともすればぽつこりと無明の谷底に転落するのだ...
牧野信一 「半島の果にて」
...どちらかといふと稍々自分の不器用さに通ずるせゐか...
牧野信一 「真夏の朝のひとゝき」
...鼓手は飽くまでも厳めしい力を込めて他の稍ともする浮き調子に...
牧野信一 「村のストア派」
...今度は音楽が稍急調子に変つて...
牧野信一 「夜の奇蹟」
...さう思ふとそれから変りやうが稍遅くなつた...
正岡子規 「ラムプの影」
...レベル若くはレベルより稍々上へ出た位の者が吾も吾もとウヨウヨ集まる必要はない...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...系図に政成が闕けてゐて稍不明であるが...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...稍奧の方で窄まつて...
柳田國男 「潟に關する聯想」
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