...それから程なく、母の手紙が、信子に妹の結納(ゆひなふ)が済んだと云ふ事を報じて来た...
芥川龍之介 「秋」
...我も快からねば程なく暇乞して還りぬ...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...六十六程なくあつらへた肴が二三品載せられて膳が運ばれる...
高濱虚子 「俳諧師」
...程なく主人のカブアが呼ばれて帰って来た...
中島敦 「環礁」
...程なく私は縁側に出...
宮本百合子 「雲母片」
...しかしこれから生ひ立つて行く子供の元氣は盛んなもので、只おばあ樣のお土産が乏しくなつたばかりでなく、おつ母樣(かさま)の不機嫌になつたのにも、程なく馴れて、格別萎(しを)れた樣子もなく、相變らず小さい爭鬪と小さい和睦との刻々に交代する、賑やかな生活を續けてゐる...
森鴎外 「最後の一句」
...五十一程なく昼食(ひるしょく)を運んで来た...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...程なく帰って来た蟹口は...
夢野久作 「衝突心理」
...程なく明りを消しました...
吉川英治 「江戸三国志」
...程なく伊兵衛と馬春堂の襟がみへその手が届かんとしています...
吉川英治 「江戸三国志」
...コトン、コトン、と淋しい六尺棒の音が消えると、程なく、警板が鳴った...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...「三千ばかり引きつれて、夾山にいる馬岱の首を持ってこい」「行ってきます」忙牙長は、颯爽として、一軍の先に立って向って行ったが、程なく、その手下だけが、列を乱して逃げ帰ってきた...
吉川英治 「三国志」
...程なく元旦にもなりますことゆえ」「そうだ...
吉川英治 「私本太平記」
...程なく、喘(あえ)ぎ登って来た男は、近づくとまず、皮肉な一笑を相手に投げて、「めずらしいのう、渡辺天蔵...
吉川英治 「新書太閤記」
...程なくそこの篠村八幡の境内から光秀以下...
吉川英治 「新書太閤記」
...大崎対馬守は程なく馬を打って帰って来た...
吉川英治 「新書太閤記」
...だが、程なく彼の船と、警固(けいご)の艀(はしけ)とが、両国下の横堀へ入ると、そこの一つ目橋の上に、先刻(さっき)の十一名が欄干に姿を並(なら)べていた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...そして程なく、覚えのある杉ばやしを彼方に見、もう十町も行けば、いつぞやの暴風雨(あらし)にこわれた草庵の跡――と、心をおどらして駈けだしたのである...
吉川英治 「宮本武蔵」
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