...葉子はもうこんな程々(ほどほど)な会話には堪(た)えきれなくなって来た...
有島武郎 「或る女」
...中村田中の二人とは違うて、常陸殿とはお気合いの仲でいらっしゃいましたから、一時はお迷いなされたことがあるのでもござりましょうか」右について聚楽物語は曰う、「常陸の守、かやうに様々計(はから)ひ申しければ、秀次も自ら御心を移され、内々にお支度ありて、大名小名によらず、御意(ぎよい)に従ふべきと思召す者共には、お手前にてお茶を下され、或は御太刀、刀、御茶湯の道具によらず、その程々に従ひ、金銀を遣されける間、何事もあらば一命を奉らんと存ずる者共あまたなり」と...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...女たちは例に依って「雪子娘(とう)さん」とこいさんの若さを褒(ほ)めたが、それも辰雄に当て付けがましく聞えないように、程々にした...
谷崎潤一郎 「細雪」
...挨拶も程々にして置いたのであったが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...程々に書くのに骨が折れた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...ゆくゆくは両氏の指導の賜物として程々の技能は身につけられることを期待したい...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...然し、それも、程々のものだ...
直木三十五 「南国太平記」
...無機的要求を見る程々に少き者は哲学者たり...
中原中也 「地上組織」
...主人(しゆじん)は成程々々(なるほど/\)と聞(き)いてゐる丈(だけ)であつたが...
夏目漱石 「門」
...驚きましたね」「だから躾(しつけ)も作法も程々で宜いわけだな...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...道樂も程々にするが宜い――ホイ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...程々に自分の貯へもくすねる事を忘れなかつた...
林芙美子 「浮雲」
...ちつと察して下されといふに成程々々とて結城は二言(ごん)といはざりき...
樋口一葉 「にごりえ」
...値段も程々だった...
古川緑波 「甘話休題」
...時刻も程々でおまけにお医者にほめられるような子供を持ったから一同大満足です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...秘蔵っこの噂を程々でやめておくには...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...家来朋友と程々に楽しむを以つて最なるものとし...
吉川英治 「上杉謙信」
...いいかげんなことも程々に」「いや...
吉川英治 「新・水滸伝」
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