...キチン氏は薄汚い園芸服に破けた麦稈帽(むぎわらぼう)を被(かぶ)つて...
薄田泣菫 「茶話」
...暢気(のんき)さうに岩魚(いはな)を釣つて居る鍔(つば)の大きい麦稈(むぎわら)帽子の人もあつた...
田山花袋 「朝」
...清三の麦稈(むぎわら)帽子は毎年出水につかる木影のない低地(ていち)の間の葉のなかば赤くなった桑畑に見え隠れして動いて行った...
田山花袋 「田舎教師」
...赤や黄や緑の麦稈(むぎわら)のようなものが...
徳田秋声 「仮装人物」
...麥稈帽(むぎわらばう)の書生三人...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...破れかかった麦稈(むぎわら)帽子を脱いで...
中村地平 「南方郵信」
...葉片下に稈を取り巻く長い葉鞘がある...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...その稈は編みて敷物としまた竹行李に製す...
牧野富太郎 「植物記」
...第一軍附の新聞記者は粱稈(りょうかん)に坐し第二軍附の新聞記者は石牀(せきしょう)に眠る...
正岡子規 「従軍紀事」
...地べたの上へ黍稈(むぎわら)を敷いて寐たり...
正岡子規 「病」
...刈り残した稈(わら)を獣形に作りもしくは獣の木像で飾る...
南方熊楠 「十二支考」
...行ってみよう」池田は大きな麦稈帽子を冠って外に出た...
宮嶋資夫 「恨なき殺人」
...窓の方へ背中を向けて頭を粟稈に埋めるようにしているが...
森鴎外 「鼠坂」
...材料は稈心(みご)を用います...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...ここはあるいは大麦の稈を...
柳田国男 「母の手毬歌」
...破れた麦稈(むぎわら)帽子と竹の杖を探りまわし初めた...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...阿弥陀にしていた麦稈(むぎわら)帽子を冠り直しながら...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
...麦稈(むぎわら)も束として火を附(つ)くればゆゆしくも家(いへ)を焼く...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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