...盗賊上りのヴィドックが稀代の名探偵となり上ったのも...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...なにしろ相手は、数人の娘を惨殺して、石膏づめにした、稀代の殺人鬼だ...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...稀代の宝石には、千枚張りの女賊の顔をさえあからめさせる、神秘の魅力がこもっていたのだ...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...この稀代の悪魔が...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...いづれも稀代の珍也...
大町桂月 「房州の一夏」
...松平不昧は稀代の茶入油屋肩衝を自分の手に入れた...
薄田泣菫 「茶話」
...世間では私を目して稀代の殺戮(さつりく)者...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...稀代の妙技を奮(ふる)って...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...髭が!」稀代の変装の名人は...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...稀代の大蝦蟇が取れたというのであった...
豊島与志雄 「蝦蟇」
...諸種のイズムの窮屈さをいとう稀代の天才が出て...
豊島与志雄 「愉快な話」
...稀代の曲者と心得ます...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...稀代の才物ではあるらしい」「知りたいね...
中里介山 「大菩薩峠」
...昔から老人が若い妻をめとった例は決して少くありませんが、ゲーテのように、稀代の大天才が、年齢の距(へだた)りを越えて、若い少女の心を引付(ひきつ)けたのは別として、多くの場合それは、不純な動機や事情で結び付けられるのが普通で、国府金弥老人と鈴子夫人の間にも、面白からぬ噂があり、出雲(いずも)の神様の赤縄の代りに、極めて現世的な黄金のロープで結び付けられたことは、容易に想像されることであります...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...二三日前より稀代の妖婦の局所切断事件で話題は占められ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...あの厭生派の修辞学徒は稀代の長命者だ...
牧野信一 「ゾイラス」
...それは稀代の天才か狂人の場合に他ならぬでせう...
牧野信一 「浪曼的月評」
...よく士を敬い、賢言を用い、稀代の名将と、多年ご高名を慕うのみでしたが、今日、幹兄のお導きによって、拝顔の栄を得たことは、生涯忘れ得ない歓びです」曹操は、すっかり打ち解けて、蒋幹のてがらを賞し、酒宴に明けた翌る日、共に馬をひかせて、一丘へ登って行った...
吉川英治 「三国志」
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