...けだし古来稀なり」息軒安井仲平先生のお言葉こそ...
上村松園 「孟母断機」
...美妙斎の色彩は小説以外には頗(すこぶ)る稀薄(きはく)であった...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...ありゃ稀にみる大馬鹿だ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「マリ・デル」
...されど近年かくの如きものを見ること稀なれば淺草觀音堂のむかしなど思出でゝ杖を停(とど)むること暫くなり...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...人力車を見ることさへ稀であつた...
永井荷風 「冬の夜がたり」
...眼は鋭く 話ははつきりして 講釋は音吐晴朗 語調明確 別に氣取つた風采なく 抑揚頓挫なども稀で 偏に學生の理解を希うていた...
長岡半太郎 「プランク先生の憶い出」
...そして稀々しくも地面を匍ふやうな微風が所々に生えた雑草などを揺るので...
中原中也 「その頃の生活」
...歴史の研究に必要な記録も文書も共に殘存する所のもの至て稀で...
原勝郎 「日本史上の奧州」
...階級的イデオロギイも稀薄であるが...
平林初之輔 「政治的價値と藝術的價値 マルクス主義文學理論の再吟味」
...ごく稀れにはかやうな考へを抱いてゐる人もあるが...
平林初之輔 「文学方法論」
...稀(まれ)に人間世界にあるも...
福沢諭吉 「日本男子論」
...こんなくさったもの近来稀なり...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...」「シンにはお友達は一人もないの?稀(たま)にはお茶の集り位ゐしたらどうなの?」「此方には一人もなくて寂しいんだ...
牧野信一 「或る五月の朝の話」
...疑いもなく人口稀薄な国にも存在し得ようが...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...豹は成長せる猴を襲う事稀に時々児猿を捉うと...
南方熊楠 「十二支考」
...もし何かにおいて稀少が評価のもとになるとすれば...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...京極藩の大月玄蕃の代(だい)試合として現われた稀世の名剣客鐘巻自斎(かねまきじさい)と...
吉川英治 「剣難女難」
...畜生保護令(ちくしょうほごれい)――いわゆる“生類(しょうるい)おんあわれみ”と称する稀代(きだい)な法律の厳行である...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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