...稀に見る力の籠り工合だ...
海野十三 「千早館の迷路」
...江戸は利根(とね)川にありといへども稀(まれ)なるゆゑ...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...この病気は文明国家から完全に無くならないにしても非常に稀になることを私は確信している...
ジョン・スノウ John Snow 水上茂樹訳 「コレラの伝染様式について」
...彼女は力の稀有(けう)なことをだれよりもよく知っていたから...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...商会の看板は出ているが、人の出入は稀で、とっつきの広間に体躯逞ましい二三の事務員が居るきり、めったに開かれないらしい大きな帳簿を前にして、雑誌を読んだり小声で話しあったりして、広すぎる応接室といった感じだ...
豊島与志雄 「秦の出発」
...東京ほど岡燒の激しい處は世界に稀である...
永井荷風 「十年振」
...「自分」といふものは甚だ稀薄であり...
中原中也 「よもやまの話」
...著述に至りては此種の鑑定は效力を顯はし得べき場合極めて稀少なるべし...
原勝郎 「吾妻鏡の性質及其史料としての價値」
...そして生活資料が人口に比して稀少な場合には...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
......
三好達治 「間花集」
...(b)病気に乱されることは稀であった...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「わたしは後悔することが稀である」とか(c)「わたしの良心はみずからに満足している...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...本州の方でも稀(まれ)ならず俗間に残っていたことは...
柳田国男 「海上の道」
...それでも稀々には神様が御自ら訪ねてござることがあるから気をつけねばならぬという話だったのが...
柳田国男 「年中行事覚書」
...善兵衛は莫迦莫迦(ばかばか)しいと云ったふうに、顔を外向(そむけ)てしまった、こんどは渡邊の描いた見取図を受取て、「フーム、Fの字見たいな建方だな、この離れが一番上の横線に該当するね、中庭を隔てて御主人の居間と向合うて二階が弟さんの御部屋か……」こう呟いて沓脱(くつぬぎ)の駒下駄を履くと、グルッと庭を廻って座敷の裏手へ出た、そこは納屋と空地があり、忍返しのついた黒板塀で囲われてある、足許に注意しながら春日は塀の隙間(すきま)から覗いた、外は小路を隔てて向側は他家(よそ)の塀で、通行は稀らしい...
山下利三郎 「誘拐者」
...船乘り達が「白いなぎ」といつてゐる稀な一種の天候であつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...どうかもう少し暢(のび)やかに稀れにはおくつろぎ下さるこそ...
吉川英治 「三国志」
...こんな稀代(きたい)な座主は...
吉川英治 「私本太平記」
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