...第三に稀薄にして本能の強健を缺くのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...かの戦時議会を除いては稀有のことで...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...日が照りながら雨が降ることさえけっして稀でない...
丘浅次郎 「境界なき差別」
...それぞれ稀少性の軸(axe des rarets)...
レオン・ワルラス Leon Walras 手塚壽郎訳 「純粋経済学要論」
...却って国民の理解力を稀薄にする恐れがあるという理由で...
戸坂潤 「社会時評」
...稀薄になっていたが...
豊島与志雄 「死因の疑問」
...人力車を見ることさへ稀であつた...
永井荷風 「冬の夜がたり」
...此の如きは此地稀に有る所なりといふ...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...観測機会が稀なために単に細長い角柱なのか...
中谷宇吉郎 「雪」
...何千万円するかも知れない稀代の名玉は...
野村胡堂 「呪の金剛石」
...落着て在宿していた事は稀(まれ)だという...
二葉亭四迷 「浮雲」
...空気(くうき)の稀薄(うす)いところでは...
逸見猶吉 「火を喰つた鴉」
...「然し、お前、斯んな暮しを不服に思ふことはないかね、稀には...
牧野信一 「南風譜」
...御飯も乾飯(かんぱん)に稀飯(きはん)といって固い御飯とお粥のようなものと二色出ます...
村井弦斎 「食道楽」
...ことさらに自家の醜を白状した人が稀にはある...
森鴎外 「不苦心談」
...話し合ふことも稀であつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...稀代(きたい)な槍法(そうほう)をみせた鎧売(よろいう)りの男で――いまは...
吉川英治 「神州天馬侠」
...あだなを蒋門神(しょうもんしん)という稀代(きたい)なのっぽで...
吉川英治 「新・水滸伝」
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