...秋霧(あきぎり)の夕...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...秋霧の深い山の奥の一軒屋にかくれ住んで啄木鳥を友として静かに暮してゐるといふ噂がこの頃聞えて来た...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...戦場が原は秋霧が渦を巻いて白け渡り索漠たる光景を呈してゐる...
平野萬里 「晶子鑑賞」
......
前田普羅 「普羅句集」
...わたしたちの日は遠い秋霧(あきぎり)の中に消えている地平線まで届(とど)いていた...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...かなり深い秋霧が降りて水を流した様なゆるい傾斜のトタン屋根に星がまたたく...
宮本百合子 「秋霧」
...霞が深く掛った姿はまだはっきり覚えて居るほど新らしい時に見た事はないが秋霧の何とも云えない物静かな姿は霞の美くしさに劣るまい...
宮本百合子 「秋霧」
...秋霧に立ちおくれぬと聞きしより時雨(しぐ)るる空もいかがとぞ思ふとだけであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...雲のゐる峰のかけぢを秋霧のいとど隔つる頃(ころ)にもあるかなそのあとで歎息(たんそく)するらしい息づかいの聞こえるのも非常に哀れであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...秋霧の晴れぬ雲井にいとどしくこの世をかりと言ひ知らすらん薫の歌である...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...初めての秋霧が立ちわたると共に...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...秋霧(あきぎり)の御記(ぎょき)吉野の群臣は...
吉川英治 「私本太平記」
...月の初めより秋霧(あきぎり)に冒(をか)され給うて――とあれば...
吉川英治 「私本太平記」
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