...仕事に私情を持ち込むな...
...彼の判断は私情に左右されたものだった...
...私情に流されないで、客観的に物事を見よう...
...私情を挟まないように、公平な判断を下すべきだ...
...彼女は私情を持たず、常にプロ意識を持っている...
...邪宗門の宗徒とは申しながら、親心に二(に)無き体(てい)相見え、多少とも哀れには存じ候へども、私情を以て、公道を廃す可(べか)らざるの道理に候へば、如何様(いかやう)申し候うても、ころび候上ならでは、検脈叶(かなひ)難き旨、申し張り候所、篠、何とも申し様無き顔を致し、少時(しばらく)私顔を見つめ居り候が、突然涙をはらはらと落し、私足下(あしもと)に手をつき候うて、何やら蚊の様なる声にて申し候へども、折からの大雨の音にて、確(しか)と聞き取れ申さず、再三聞き直し候上、漸(やうやく)、然らば詮無く候へば、ころび候可き趣(おもむき)、判然致し候...
芥川龍之介 「尾形了斎覚え書」
...互いに相輔け相親しみ私情を去ってもっぱら国のために力をつくすようにするがよろしいではないかという議論が起こるかもしれぬが...
丘浅次郎 「理想的団体生活」
...それは純粋に私情である...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...私利私情などというものの入り込む余地はないではないかということになる...
寺田寅彦 「学位について」
...顧ふに侯が近来政党に接近したるは明白なる事実なり特に憲政党と頗る親密なる交通を為しつゝあるは、最も新らしき事実なりされど侯の憲政党と交通するや、猶ほ文明国人の未開国人と交通するが如し侯の眼中に映ずる憲政党は、尚ほ是れ政治上の未開国のみ侯は此未開国の法律に服従するの危険を恐る故に之れと交通すと雖も、常に傲然として思想上の治外法権を維持せり侯或は此未開国を征服するの野心ありとせむされど侯は果して善良なる君主たるを得る乎伊藤侯と大隈伯とは、政界の両雄なりと公認せらるゝものなり其政治的手腕は真に両々相当るが為めなりされど党首として之を論ずれば、伊侯は到底大隈伯の対手に非ず世間動もすれば伯を称して煽動家と為すものあれども、是れ伯を侮辱するに非ずむば、伯を誤解するなり伯の煽動家ならざるは、猶ほ伊藤侯の党首の器に非ざるが如し伯は意見に富み、判断に長じ、特に其記性非凡にして、英敏なる組織力あるは、善く伯を識るものゝ皆許す所なり試に見よ、会計法の未だ整頓せざるに際して、予算編製の創意を出だしたるものは大隈伯に非ずや始めて統計事業を成案し、会計検査法を設けて、行政事務の改良を謀りたるものは亦大隈伯に非ずや伯は曾て紙筆を執りたることなく、算盤を手にしたることなきも、善く複雑なる事実と数字とを記憶して、其解紛按排頗る迅速なり此点より言へば、伯は大事務家なり大行政家なりされど伯の最も偉なる所は、国民を指導するの力量ある是なり伯は独自一己の意見を有すると共に、雑駁なる国民問題を溶解して、更に之れを清新なる晶形と為すの陶鋳力(クリスタリゼーシヨン)あり、伯は此陶鋳力に依りて、国民の偏見、私情、迷想に属する分子を除却し、以て其醇分を代表するの意見を製造するものゝ如し是れ自ら党首の器にして、伊藤侯の企て及ばざる所と為す...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...ジャックリーヌに関する私情をすっかり心からもぎ取ってしまった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...主として私情的な面からの文を綴ろう...
豊島与志雄 「三木清を憶う」
...私情をさりてこれを考え...
福沢諭吉 「学者安心論」
...故に忠君愛国の文字は哲学流に解すれば純乎(じゅんこ)たる人類の私情(しじょう)なれども...
福沢諭吉 「瘠我慢の説」
...その私情なりとする罵詈...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...さればエワレツトと早稻田黨との主觀といひ、私情といひ、直現情感といへるものは詩人の實感なり...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...しかし私利私情から生れる胸の中の苛立たしさ激しさは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...そんな私情のために...
山本周五郎 「落ち梅記」
...私情はまたべつと見える...
吉川英治 「三国志」
...なんで私情の怒りというか...
吉川英治 「三国志」
...とする小義や私情を乗り超えた信念が...
吉川英治 「新書太閤記」
...些末(さまつ)な私情に駆られるなどは...
吉川英治 「新書太閤記」
...私情に囚(とら)われてはなるまいと覚悟をしている」「そんな講釈は...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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