...秀でたる白根(しらね)が岳の頂に...
泉鏡花 「瓜の涙」
...が、作に秀でたのは、鯛よりは鰯の生きのイイ方が旨(うま)い、牡丹よりは菜の花の方が風情(ふぜい)があるというと同じ好(す)き不好(ぶす)きを別として大抵異論はないが、人物となるとまた、古今馬琴の如く嫌われてるのは少ない...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...この人殺し奴!」腕力に秀でた巡査は...
海野十三 「人間灰」
...智慮に於てもミケーネー族人中に秀でたる――彼れ戰勝の光榮を今ヘクト,ルの手に讓る...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...タレス自身が秀でた技術的知識の所有者であったことは知られている...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...中国人にしては珍らしい秀でた鼻筋……...
豊島与志雄 「秦の憂愁」
...一芸一能に秀でた者は...
豊島与志雄 「表現論随筆」
...學問詩文とも一代に秀でた人でありましたが...
内藤湖南 「近代支那の文化生活」
...然るに総て秀でたものはアングロ・サクソンなりと言うに至っては抱腹絶倒の至りである...
新渡戸稲造 「民族優勢説の危険」
...秀でた人のもつ善良の味だ...
萩原恭次郎 「純情小曲集」
...その秀でた顔面には...
橋本五郎 「自殺を買う話」
...その秀でた部分が何より第一に人眼をひき...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...秀でた眉が、心持悲しく慄えていた...
正岡容 「小説 圓朝」
...この二集の他に秀でたる所以(ゆえん)なり...
正岡子規 「曙覧の歌」
...このわたりの畑もつはものどもが住みし夢の名残なるものを今は桑の樹ばかりぞ秀でたると一つ/\に指さす...
正岡子規 「かけはしの記」
...秀でた優しい額からうしろへかき上げられて...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「悩みのひととき」
...大身の者の子だろう、秀でた相貌だし、着ている物もりっぱだった...
山本周五郎 「雪の上の霜」
...散りて咲く野末の花のなつかしく露にぬれたる秋の花を渡殿朽ちし西の壺に人の贈りし春の花を蝦夷菊枯れたる池の畔に褄紅の撫子は露霜(つゆしも)降(お)りてめげたれど名よ脆かりし虞美人草(ひなげし)のやがて媚(いろ)ある花咲かん眉秀でたる妹あらばりぼんに(さ)すを惜まねど紫菫...
横瀬夜雨 「花守」
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