...平吉は、円顔(まるがお)の、頭の少し禿げた、眼尻に小皺(こじわ)のよっている、どこかひょうきんな所のある男で、誰にでも腰が低い...
芥川龍之介 「ひょっとこ」
...かくて、見よ、髪の一条(ひとすぢ)落ちつ、また、二条、三条、いつとなく抜けたり、遂(つひ)に面白し、禿げたる頭...
石川啄木 「詩」
...顔を出したら……」と沢屋は禿げ上った額をつるりと撫でるようにしてソフト帽をかぶり自転車に片脚をかけて...
犬田卯 「瘤」
...中ぼんのところがつるつるに禿げる事もなく...
上村松園 「三味線の胴」
...禿げた頭にはいつの間にかびつしより汗を掻いてゐた...
薄田泣菫 「茶話」
...前額のひどく禿げ上つた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...ぱらぱらと禿げている脳天を除いては...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...額は高くて禿げ上った...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「空家の冒険」
...禿げた所は快活さで...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...禿げていりゃ、もっと茶に見えます」「そうでしょうか...
夏目漱石 「草枕」
...禿げた頭が金物のやうにずしりと地面にぶつつかつた...
林芙美子 「なぐさめ」
...お前は勝氣で困るんだよ」湖上落月型と云ふ禿げかたをしてゐる...
林芙美子 「雪の町」
...「頭はこう禿げてゐるが……」「いよう...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...頭の禿げた村の役人らしいのが...
水野葉舟 「帰途」
...おかっぱにしないのなんか禿げ頭の爺さんか豚だけよ――ごらん...
「赤い貨車」
...その中(うち)に嬶(かかあ)が出来たり餓鬼(がき)が出来たり何かしてマゴマゴしている中にコンナに頭が禿げちゃっちゃあモウ取返(とりけえ)しが付きやせん...
夢野久作 「悪魔祈祷書」
...片手で美事な禿げ頭をツルリと撫で上げながら...
夢野久作 「霊感!」
...つるつるに禿げていた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
便利!手書き漢字入力検索