...禿げた頭だけが薄(うつ)すりと見えた...
石川啄木 「道」
...渠は一閑張りの禿げかかつた机に倚つて...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...奥から人波をかきわけながらぜいぜい息を切らせてかけつけた一人の禿げ頭の老人があった...
海野十三 「人造人間エフ氏」
...すぐにまた以前のように禿げかかって来たよ...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...余り禿げ過ぎてゐるので...
薄田泣菫 「茶話」
...額が少し禿げ上ってる大柄な顔立ちと...
豊島与志雄 「絶縁体」
...顔の大きな頭の禿げた薬局生が小窓から覗いて...
豊島与志雄 「反抗」
...頭がまる禿げであること...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...それが人間の身体に突っ込んでいろいろな原子病を起こしたんだ」「畳屋の小父さんの頭の禿げたのも...
永井隆 「長崎の鐘」
...空は西の方から拭つたやうに靄が禿げて日の光が竹林の上から斜にさしかゝると...
長塚節 「十日間」
...禿げ上った額へ冷汗を掻いて居る有様...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...その半ば禿げかかった頭の毛は...
野村胡堂 「死の舞踏」
...頭は砂利禿げで並んでみるといやに背がひくい...
林芙美子 「愛する人達」
...額の禿げあがった...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...すこし頭の禿げたその主人は急にそはそはし出したやうに見えるくらゐ愛想よくなつて...
堀辰雄 「旅の繪」
...しっかり」オットセイと仇名された頭の禿げあがった左楽も...
正岡容 「寄席」
...男爵はしゃれた身なりの、ずんぐりした、頭の禿げた人で、灰色の八字髭を生やしている...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「幸福への意志」
...画かきが理想的な顔でなしにありのままの私の顔を描いてくれたらしい・あの禿げた・胡麻塩あたまの・私の肖像と...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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