...(ある人はスリルといえばこの恐怖の激情だけのように考えているかも知れないが、字典も明示している通り、スリルはむろん恐怖に限るものではない)人ごろし、血みどろ、一寸だめし五分だめし、逆磔刑、鋸(のこぎり)引き、その他殺人と刑罰との肉体的スリル、人体解剖、毒殺、疾病(しっぺい)、手術などの医学的スリル、世界中を敵として逃げ廻る犯罪者の身の置きどころもないたえ難い恐怖、追われるもののスリル、断崖、高層建築などの墜落恐怖、猛獣、蛮人などから感じる冒険スリル、一方にはまたお化け、幽霊、生霊、神罰、仏罰、心霊現象などの不可知なるものから生ずるスリルなどがこれである...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...掠(かすむ)れば即座(そくざ)に神罰(しんばつ)あるゆゑなり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...神罰なんぞ恐れんや...
太宰治 「二十世紀旗手」
...浅慮(あさはか)な奴であまりやりすぎたので到頭神罰が下ったのですね...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「女房ども」
...神罰を恐れるがためではなかった...
中村地平 「宮崎の町」
...神罰を受けように」といった...
中谷宇吉郎 「露伴先生と神仙道」
...あれは小磯扇次の惡業を戒(いまし)めた神罰だと思つて下さい...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...年寄(としより)などの話にする神罰(しんばつ)冥罰(みょうばつ)なんと云(い)うことは大嘘(だいうそ)だと独(ひと)り自(みず)から信じ切(きっ)て...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...私心萌(きざ)さば立所(たちどころ)に神罰を受けんことを誓うのである...
穂積陳重 「法窓夜話」
...お前たちの怖がる神罰の歌か」怒りを帯びた低いうめき声が人々のひげの陰から洩れた...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「浅瀬に洗う女」
...虚言すれば神罰立ちどころに至ると心得...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...カトリックの神を持ちだして神罰のことを言って本気に熱烈に不良青年を叱っていた人を見たことがあります...
三好十郎 「清水幾太郎さんへの手紙」
...神罰を思わないように...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...善因善果、悪因悪果、悔い改めよの、心を入れ換えよの、やれ神罰の、仏罰の、天の怒り地の祟(たた)り、親罰、子罰、嬶罰(かかあばち)のと、四方八方からの威し文句の宣伝ビラが昔から到る処ふり撒(ま)かれておりますが、近頃の人間は頓(とん)と相手にしなくなりました...
夢野久作 「鼻の表現」
...神罰の使いとして吾々が即刻成敗に向うであろうし...
吉川英治 「江戸三国志」
...神罰覿面(しんばつてきめん)...
吉川英治 「神州天馬侠」
...神罰をうくるものなり慶長九年除夜平安 吉岡拳法二代清十郎作州牢人宮本武蔵殿「ム...
吉川英治 「宮本武蔵」
...恐ろしい神罰を受ける怖れがあった...
和辻哲郎 「夢」
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