...自己嘲笑から自己超越に磨き上げるのが――カントの言葉を用ゐれば――彼の「義務」である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...父に似て細面(ほそおもて)の彼女は函館の生活に磨きをかけられて...
有島武郎 「カインの末裔」
...手の化粧品や爪磨き粉...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...爪磨きの女が現れて我々の爪を磨いてくれる...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...靴磨きにアパートにおける殺人の嫌疑をかけるためには殺されるダンサーのアパートにその靴磨きをなんとかしておびき入れ...
寺田寅彦 「初冬の日記から」
...初めてもつて見た自分の家や世帯道具を磨き立てたりしてゐた一年半ばかりの楽しさも...
徳田秋声 「のらもの」
...市郎がそこで磨きあげるのが間にあわないほどでありました...
豊島与志雄 「市郎の店」
...銀磨きの十手を抛(ほう)り出してそこへ突んのめってしまったのを...
中里介山 「大菩薩峠」
...勾欄(こうらん)に擬宝珠(ぎぼし)を磨き...
中里介山 「大菩薩峠」
...白磨き二寸あまりの矢尻(やじり)には...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...磨き抜かれた釜や鍋や...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それは輝くように磨きあげた黒大理石の壮麗な門で...
久生十蘭 「泡沫の記」
...蓋の板は、磨きをかけて、黒っぽい、なめらかな、ゆたかな美しさを出し、そのまん中に、額(ひたい)に花の冠を巻いたその顔があるだけで、ほかに細工はしてありませんでした...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...歯磨きの空缶のにわか仕立ての猪口でおどけたようにヒョイと受けた...
正岡容 「寄席」
...そのカルタの裏をいくら丹念に磨き込んだってだめである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ちゃん」と良吉は流しの脇からたわしと磨き砂の箱を取りながら云った...
山本周五郎 「ちゃん」
...俺は必死に理智を磨き續けなければならない...
横光利一 「書翰」
...なんたる不意! 眼に痛いような磨きすました十手を向けた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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