...長靴を磨いているのが見える...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...女としての須磨子に負けた芸術家としての彼(か)の女(をんな)は...
薄田泣菫 「茶話」
...小岸に墨でも磨らして……」と言ひかけて自分が大文學者になつて唐木細工の大きな机に凭れて絨毯の上に坐つて小説を書いてゐる所をちらと默想する...
高濱虚子 「俳諧師」
...もっと純白雪のように磨き上げられた円柱が並列して...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...磨かれてゐない自分...
種田山頭火 「行乞記」
...慫慂已まず而して彼は固辞して烟霞の間に去れり世間輙ち之を以て彼れの雄心既に消磨せるの兆と為す特に知らず是れ唯だ巧みに隠れたるに過ぎずして...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...おぬしの専門は南蛮鋳物ぢやが金物なら木彫よりはなほ磨滅する憂ひもなしな...
長與善郎 「青銅の基督」
...もろ肌を脱いで石鹸で磨(みが)き上げた皮膚がぴかついて黒縮緬(くろちりめん)の羽織と反映している...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...「どこでそんなに磨っているんだい」「やっぱり学校の実験室です、朝磨り始めて、昼飯のときちょっと休んでそれから暗くなるまで磨るんですが、なかなか楽じゃありません」「それじゃ君が近頃忙がしい忙がしいと云って毎日日曜でも学校へ行くのはその珠を磨りに行くんだね」「全く目下のところは朝から晩まで珠ばかり磨っています」「珠作りの博士となって入り込みしは――と云うところだね...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...壮士荻野六郎は達磨(だるま)のように赤黒く...
長谷川時雨 「古屋島七兵衛」
...これ等の精鋭な新人達と共に新芸術の研磨開拓に精進し...
三岸好太郎 「黄色い鋼鉄船」
...薄暮の蟹の如くに己れの肢体を嗜み磨いた...
三好達治 「測量船拾遺」
...磨きのかかった赤銅色...
山本笑月 「明治世相百話」
...磨(と)ぎ澄(す)ましたような白い月の光りが...
夢野久作 「白髪小僧」
...絶えず忍耐し續けて全部の心を絶えず自分の愛する對象にのみ集中し續けることによつて自分を磨き續けてゆく...
横光利一 「悲しみの代價」
...小屋まで来た老婆はよく磨きのかかった手櫃を二つ矢代に渡した...
横光利一 「旅愁」
...またすぐ播磨守へ訊ねていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...米磨(と)ぎ笊(ざる)『もうよいかや?』『まだまだ』『もうよいか』『あい...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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