...下には黄金色(きんいろ)をした磚(かわら)を鋪(し)いてすこしの塵もなかった...
田中貢太郎 「賈后と小吏」
...磚(しきがわら)の間からは草が生え茂って庭内はひどく荒れていて...
田中貢太郎 「雷峯塔物語」
...火にかけた鉄鉢の磚茶(たんちゃ)が煮えると...
久生十蘭 「新西遊記」
...瓦磚(がせん)を積み上げて作られた一つの瓦壁がある...
穂積陳重 「法窓夜話」
...磚(せん)のすき間から生えている葎までも何か大事そうに踏まえて...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...若シ近地堅硬或ハ礙磚石ナレバ則チ間ニ遠近ナシ...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...灌園はそれを「水莎草(すいしょうそう)(救荒本草 磚子苗注)水生のかやつりぐさなり苗葉三稜に似て陸生より長大なり高さ三四尺武州不忍の池に多し」と書いている...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...昨夜華光来趁我、臨行奪下一金磚、と歌いきって櫓(ろ)を放した...
正岡子規 「句合の月」
...その奥は土地で磚(たん)と云っている煉瓦(れんが)のようなものが一ぱい積み上げてある...
森鴎外 「鼠坂」
...跡の半分は積み上げた磚で隠れているものと思われる...
森鴎外 「鼠坂」
...ところがその磚がひどくぞんざいに...
森鴎外 「鼠坂」
...小川君は磚を卸し始めた...
森鴎外 「鼠坂」
...「小川君は磚を一つ一つ卸しながら考えたと云うのだね...
森鴎外 「鼠坂」
...磚は造做もなく除けてしまった...
森鴎外 「鼠坂」
...十三層の磚身白堊の塔が建てられた...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...磚(かわら)と磚とのあいだには草が生え...
吉川英治 「三国志」
...金磚(きんせん)の麗...
吉川英治 「三国志」
...店内の小狭い土間は凸字形になっていて支那風の磚(かわら)で埋めてあった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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