...そして私が心の中に描いている理想的な演出、もしくは完成されつくした演技指導の型といったようなものの特色は、著しく静かでほとんど無為に似た形式をとりながら、その実、当事者間には激しい精神の交渉、切磋、琢磨がつづけられ、無言のうちに指導効果が刻々上昇して行くといった形において想像される...
伊丹万作 「演技指導論草案」
...求めて詩友と交って切磋琢磨(せっさたくま)に努めたりすることをしなかった...
中島敦 「山月記」
...求めて詩友と交つて切磋琢磨に努めたりすることをしなかつた...
中島敦 「山月記」
...三四年前に半年あまり一緒(しよ)に萩(はぎ)原淳(じゆん)七段(だん)の高弟(?)となつて大(おほ)いに切磋(さ)琢磨(たくま)したのだが...
南部修太郎 「下手の横好き」
...切磋骨を刻むが如き努力の成果と...
久生十蘭 「魔都」
...相ともに切磋(せっさ)し...
福沢諭吉 「慶応義塾の記」
...年少の日の圓朝が切磋琢磨の修業の上に自分自身を見出したことによって初めて私は...
正岡容 「小説 圓朝 あとがき」
...人知れぬ密林の切磋琢磨(せっさたくま)に剣の妙髄(みょうずい)を工夫し...
吉川英治 「剣難女難」
...学徳の切磋(せっさ)に孜々(しし)たる頃であった...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...磋磯之介(さきのすけ)の側へ寄って...
吉川英治 「旗岡巡査」
...権十の大漁着を借りて磋磯之介は...
吉川英治 「旗岡巡査」
...その晩、磋磯之介は、ここから常陸岸(ひたちぎし)の玉造(たまつくり)へ上陸(あが)る決心をしていたので、「そうか、それは有難い」と、心からいった...
吉川英治 「旗岡巡査」
...返辞をしてくれないので、彼は権十のそばへ戻って、「金子(きんす)は持ち合せていないし、何も礼につかわす物がないが……これはわしの刀に付けておる目貫(めぬき)で、鉄地に花菖蒲(はなあやめ)の象嵌彫(ぞうがんぼり)、作銘(さくめい)もないが、持ち馴れた品じゃ、かたみに上げるから納めておいてくれ」「と、とんでもない」権十は押し返したが、「寸志だ」いい捨てて、磋磯之介は、常陸岸(ひたちぎし)の蕭々(しょうしょう)と暗い風のそよぐ広原へ駈け去ってしまった...
吉川英治 「旗岡巡査」
...主人の弟の磋磯之介(さきのすけ)に前から心を寄せていたことを...
吉川英治 「旗岡巡査」
...――たとえ生きてお還(かえ)りになるようなことがあっても、磋磯之介は、公儀(こうぎ)のお尋(たず)ね人(びと)ですからね」「けれど、どうしても、嫌なんですもの」「誰方(どなた)ですか...
吉川英治 「旗岡巡査」
...磋磯之介はもう二タ月も前から...
吉川英治 「旗岡巡査」
...わしの顔を覚えている人間がいるとみえる」四自分でさえもう他人の名のような気のしている海後磋磯之介(さきのすけ)という姓名なのだ...
吉川英治 「旗岡巡査」
...切磋琢磨(せっさたくま)はこの停(と)まるところのない無限の道の合い言葉にほかならぬ...
和辻哲郎 「孔子」
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