...飲料(のみもの)の茶碗には小さき羽虫の死骸浮び...
石川啄木 「呼子と口笛」
...どんぶりから茶碗へ飯を移す...
大杉栄 「獄中記」
...いまは普通のお客と同じに店の青磁の茶碗...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...旅人甲は二はい目の碗をもらって...
田中貢太郎 「涼亭」
...盛つた茶碗を盆に載せて戻しながら...
田山録弥 「波の音」
...見事なコーヒ茶碗なども出して見せた...
徳田秋声 「足迹」
...彼等(かれら)は各自(かくじ)に茶碗(ちやわん)へ注(つ)いでぐいと飮(の)んだ...
長塚節 「土」
...彼(かれ)の悲慘(みじめ)な狹(せま)い小屋(こや)には藥鑵(やくわん)と茶碗(ちやわん)とそれから火事(くわじ)の夕方(ゆふがた)に隣(となり)の主人(しゆじん)がよこした新(あたら)しい手桶(てをけ)とのみで...
長塚節 「土」
...をととひ來た連中がうがひ茶碗を丼と見...
長塚節 「十日間」
...茶碗を目八分に捧げて入って来たのは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...おずおずと茶碗のほうへ手を伸ばしてそれをとりあげた...
久生十蘭 「キャラコさん」
...午後八時より九時迄北側に密接してある台所では水瓶の水を更ふる音、茶碗、皿を洗ふ音漸く止んで、南側の垣外にある最合(もあひ)井の釣瓶(つるべ)の音まだ止まぬ...
正岡子規 「夏の夜の音」
...大きな茶碗で飲み合った...
宮嶋資夫 「恨なき殺人」
...しかしマア君の御両親だからそんな事はあるまいが僕のワイフに加勢を乞(こ)うとはどういう訳だ」第八十一 手製菓子大原はお登和嬢と相談の結果支那料理三十六碗の献立を応用して三十六品の料理を作らんため応援を乞いに来たりと物語りぬ...
村井弦斎 「食道楽」
...見る限り石ころや欠け茶碗や...
山本周五郎 「季節のない街」
...墓標の前の(死んだ仏の使っていたらしい)茶碗に注いだ...
山本周五郎 「夕靄の中」
...大きな茶碗に水を入れたのを翁の前に捧げる...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...みかん、お茶をいただく、たれが入れたのか、煎茶茶碗に、ひかえ目に注(つ)がれて来た緑茶のうまかったこと...
吉川英治 「随筆 新平家」
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