...四畳の座敷に六人がいる格で一膳(ぜん)のお膳に七つ八つの椀茶碗(わんぢゃわん)が混雑をきわめて据(す)えられた...
伊藤左千夫 「水籠」
...死んだあとで一碗の御飯を供える者がない...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...または室(へや)の中で茶碗の茶を自分一人で飲んでおきながら...
夏目漱石 「行人」
...熱い湯を茶碗(ちゃわん)についでふうふう吹いて飲んだ...
夏目漱石 「三四郎」
...何にもいわずに茶碗(ちゃわん)だの烟草盆を片付け始めた細君は...
夏目漱石 「道草」
...迷亭の箸にかかった蕎麦の四半分(しはんぶん)も浸(つか)らない先に茶碗はツユで一杯になってしまった...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...一握の米を茶碗に入れたのを持ってきて...
林芙美子 「新版 放浪記」
...急須や茶碗を入れて隅っこに置いてある三角戸棚...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...厭に落着き払つて傾けてゐる茶呑茶碗は悉く酒らしいので...
牧野信一 「山男と男装の美女」
...蕪村かつて大高源吾(おおたかげんご)より伝はる高麗(こうらい)の茶碗といふをもらひたるを...
正岡子規 「俳人蕪村」
...茶碗に茶を一杯注いだ...
森鴎外 「食堂」
...それを茶碗になくてはならない箇条だとさえ感じた...
柳宗悦 「民藝四十年」
...ほんとうに御退屈でしたろう……」放浪者は淋しく笑って卓の上に残った茶碗を取上げたが...
山下利三郎 「流転」
...まっとうな家なら読ませられるものじゃあないよ」「姐(ねえ)さんまでそれだからな」寒笑は茶碗を下に置いて...
山本周五郎 「新潮記」
...一碗の水を彼女の手から飲ませてもらうと...
吉川英治 「黒田如水」
...酒と茶碗だけを前において...
吉川英治 「私本太平記」
...さらさらと、それを一、二碗すますと、すぐであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...一個の茶碗になりかけている粘土(つち)をいじっているのを見ると...
吉川英治 「宮本武蔵」
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