...碌に挨拶をする時間もなく...
石川欣一 「比島投降記」
...通路も碌に無い場所を疲れず倦まず大股に急ぐとなると...
石川欣一 「山を思う」
...斯ういふ先生方だから外国語さへ碌に出来ず...
内田魯庵 「犬物語」
...まだ碌に監獄の気の抜けないうちに来たのだから...
大杉栄 「獄中記」
...かえってまだ碌に監獄っ気の抜けないうちに来たのだから...
大杉栄 「獄中消息」
...そして、碌に食べもせず、着もせずに暮らしたことも度々でしたわ...
オウ・ヘンリ 三宅幾三郎訳 「水車のある教會」
...碌に友人には物も言はずに自分の家へ帰つて来て独りで足りるだけ泣いた...
高浜虚子 「落葉降る下にて」
...今年二十歳だが碌にイロハも読めぬ女だ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...その儘にしといた方がいいですね」「何しろ碌に寝なかったんだからな...
戸田豊子 「歩む」
...僕は碌に酒も喉に通らなかった...
豊島与志雄 「不肖の兄」
...碌に身体へもあてずに持って行った...
久生十蘭 「金狼」
...碌に小遣いもくれないから...
久生十蘭 「金狼」
...それで、おれは、手紙を出そうかとも考えてみたんじゃが、……碌に、字は知らんし、文章も書けんもんじゃけ、……」暗くてわからなかったけれども、そういう金五郎の顔には、悲しげな自嘲の表情が湧いたように思われた...
火野葦平 「花と龍」
...そんなことを言って笑いものにでもなさる気かね? 碌に自分の職務も...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...何しろ出発前のドサクサに三晩といふもの碌に寝なかつたから...
二葉亭四迷 「旅日記」
...芝居も碌に身に染(し)みなかった...
二葉亭四迷 「平凡」
...碌に用向きをしなくなつてゐた...
室生犀星 「渚」
...薬で仕上げたが食い物も碌にたべずに何年間かを過したのである...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
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