...碌に話もしないで...
池宮城積宝 「奥間巡査」
...通路も碌に無い場所を疲れず倦まず大股に急ぐとなると...
石川欣一 「山を思う」
...お鳥がこちらから聽いた時は怒つて碌に答へをしなかつたことまでも...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...聲も碌に出せなかつた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...ですから自分は一人で書斎に入ったきり食事も碌にせず...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「消えた霊媒女」
...」老看守はその男の言うことなぞは碌に聞かずに...
大杉栄 「獄中記」
...まだ碌に監獄の気の抜けないうちに来たのだから...
大杉栄 「獄中記」
...そして、碌に食べもせず、着もせずに暮らしたことも度々でしたわ...
オウ・ヘンリ 三宅幾三郎訳 「水車のある教會」
...私は彼らの返事は碌にも聞かず...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...おれの傍へは碌に寄りついてもくれなかつたんだ...
徳田秋聲 「老苦」
...碌に実が生(な)らぬ柿の木さえ秋は美しく紅葉し...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...碌にあそんでもいかないでさ...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...碌に話しかけもせず...
豊島与志雄 「父の形見」
...返事も碌にしない...
豊島与志雄 「「沈黙」の話」
...碌に目は出ないが...
野村胡堂 「裸身の女仙」
...此の撮影所は、かなり辺鄙(へんぴ)な土地にあるので、食いもの屋も、碌に無い...
古川緑波 「うどんのお化け」
...碌に話の進まぬ中に立ち消えになつて...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...薬で仕上げたが食い物も碌にたべずに何年間かを過したのである...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
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