...実際又僕の体は碌に身動きも出来ないほど...
芥川龍之介 「河童」
...俺は四月と五月との生命の差別さへ碌に知らずに...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...碌に話もしないで...
池宮城積宝 「奥間巡査」
...碌に挨拶をする時間もなく...
石川欣一 「比島投降記」
...ですから自分は一人で書斎に入ったきり食事も碌にせず...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「消えた霊媒女」
...あるいはまだ碌にはできていなかった...
大杉栄 「続獄中記」
...私は彼らの返事は碌にも聞かず...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...恐らく死の可能などは碌に信じてもいなかったろう...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...おれの傍へは碌に寄りついてもくれなかつたんだ...
徳田秋聲 「老苦」
...その儘にしといた方がいいですね」「何しろ碌に寝なかったんだからな...
戸田豊子 「歩む」
...初めは用心して口も碌に利かなかったが...
豊島与志雄 「道連」
...殆ど碌に顔も知っていなかった...
原民喜 「翳」
...碌に挨拶もせいで行つたのだもの...
正宗白鳥 「避病院」
...碌にしみじみ話をする機会も無い間(うち)に...
松崎天民 「友人一家の死」
...汝は瓦師方にありて碌に食料をくれず骨と皮ばかりに痩(や)せて困苦労働したるに...
南方熊楠 「十二支考」
...碌に顔も見ずにすぐ近い村へ里子にやって仕舞った...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...碌に書いたとも思わないのに...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...親達は碌にお互の話もしないで食事が終ると...
室生犀星 「神のない子」
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