...まだ碌々遊びもしないと思ふ頃...
有島武郎 「お末の死」
...丁度客の顔をあたつて居た鶴吉は碌々見返りもしなかつた...
有島武郎 「お末の死」
...其の話を碌々(ろくろく)耳にも入れず...
石井研堂 「元日の釣」
...ひと通りの礼儀としての挨拶も碌々(ろく/\)せぬのだ...
犬養健 「愚かな父」
...細かいことには碌々氣がつかなかつたかも知れません...
ヘンリック・イブセン Henrik Ibsen 島村抱月譯 「人形の家」
...家族は誰も嫌(いや)がって碌々(ろくろく)関(かま)いつけなかった...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...しかし自分個人としては山数はまだ碌々登って居ぬが...
高頭仁兵衛 「平ヶ岳登攀記」
...『碌々文章も書けもしない中から...
田山録弥 「私の考へてゐる事」
...今じゃ碌々腰も立たないんだ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「追放されて」
...碌々眠らないくらいにして...
徳田秋声 「躯」
...末は新聞記者雑誌の編輯人なぞに雇はれ碌々(ろくろく)として一生を終るものあるを思はば...
永井荷風 「小説作法」
...勉強どころか湯にも碌々(ろくろく)這入(はい)らないくらいだ」と余は茶碗を畳の上へ置いて...
夏目漱石 「琴のそら音」
...碌々言語が相通ぜなくとも...
新渡戸稲造 「東西相触れて」
...先方(さき)じゃ五月蠅(うるさい)と云ッたような顔をして口も碌々(ろくろく)きかない」トあじな眼付をしてお勢の貌をジッと凝視(みつ)めた...
二葉亭四迷 「浮雲」
...妾が何を話しても碌々返事もしなかつたぢやないの――それで未だ眠いの...
牧野信一 「小川の流れ」
...碌々食ふものもなく...
牧野信一 「武者窓日記」
...私は碌々他人(ひと)と口を利くこともなく...
牧野信一 「夜見の巻」
...碌々(ろくろく)たる鈍才孔明ごときが...
吉川英治 「三国志」
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