...丁度客の顔をあたつて居た鶴吉は碌々見返りもしなかつた...
有島武郎 「お末の死」
...碌々食うものも食わせ無えで置いて...
有島武郎 「かんかん虫」
...あゝして毎日碌々(ごろ/\)してゐて何をする積りなんですか...
石川啄木 「鳥影」
...沼南と仕事を侶(とも)にした提携者や門下生的関係ある昵近(じっきん)者さえが「復たユックリ来給え」で碌々(ろくろく)用談も済まない中(うち)に撃退されてブツクサいうのは珍らしくなかった...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...家族は誰も嫌(いや)がって碌々(ろくろく)関(かま)いつけなかった...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...学校の教育も碌々(ろくろく)受けられないで...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...自分は忙しくて碌々(ろくろく)お相手もできないが...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...あの青白い顔……沈み切った力ない顔……ほほえみながら口も碌々(ろくろく)きかずに……...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...作者の頭に碌々その人物も光景も映つてゐないのに...
田山録弥 「雑事」
...公等碌々(ろくろく)の数を免れざるなり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...喫驚してるお上さんの言葉に碌々耳も傾けず...
豊島与志雄 「未来の天才」
...碌々(ろくろく)...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...われは隠居仕事に「よろず研究御あつらえ所」のささやかなる看板に世をしのびて碌々余生を送るもあわれなりける...
中谷宇吉郎 「寺田寅彦の追想」
...碌々あたりに注意もはらはず...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...碌々はなしにも身を入れず...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...真暗闇の中で碌々眠ることも適はず...
牧野信一 「その村を憶ひて」
...夜も碌々眠れないほど嬉しいのよ...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...碌々として老兵で終るといふ一人の凡々たる雜兵の眼から見たその時代ですね...
吉川英治 「折々の記」
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