...お前は私のここにいるのを碌々(ろくろく)顧みもせずに...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...碌々(ろくろく)熟睡する暇もなく愛の限りを尽したお前たちの母上が...
有島武郎 「小さき者へ」
...自分が放慢なためにそんなことを考えて見たこともないのに依るかも知れないが、一つは十二年も北海道で過しながら、碌々旅行もせず、そこの生活とも深い交渉を持たないで暮して来たのが原因であるかも知れないと思う...
有島武郎 「北海道に就いての印象」
...尤も新聞さへ碌々読まんのが多いのだから...
内田魯庵 「家庭の読書室」
...最後のペテルスブルグ生活は到着早々病臥(びょうが)して碌々見物もしなかったらしいが...
内田魯庵 「二葉亭追録」
...それから其物案じがすむと碌々話もせず其男は歸つてしまふ...
高濱虚子 「俳諧師」
...昨夜藪蚊(やぶか)に食われて碌々(ろくろく)眠ってない顔に...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...自分は忙しくて碌々(ろくろく)お相手もできないが...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...碌々(ろくろく)...
田中英光 「オリンポスの果実」
...私は昨夜(ゆふべ)碌々眠られなかつたことを思ひ出した...
田山録弥 「ある日」
...碌々言葉もわからないやうな山中の民――かう思ふと旅の興も失せかけた...
田山花袋 「耶馬渓の一夜」
...碌々(ろくろく)男と口を利くひまもなく...
徳田秋声 「あらくれ」
...碌々口もきけぬ脾弱(ひよわ)い児であったが...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...喫驚してるお上さんの言葉に碌々耳も傾けず...
豊島与志雄 「未来の天才」
...先方(さき)じゃ五月蠅(うるさい)と云ッたような顔をして口も碌々(ろくろく)きかない」トあじな眼付をしてお勢の貌をジッと凝視(みつ)めた...
二葉亭四迷 「浮雲」
...碌々口も利けないツてエんだから仕末に終へないな...
牧野信一 「鏡地獄」
...碌々(ろくろく)と終るしかありますまい...
吉川英治 「三国志」
...栄(さか)うる者は自ら安々(あんあん)辱(はずかし)めらるる者は定めて碌々(ろくろく)南陽に隠君(いんくん)有り高眠臥(ふ)して足らずと...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??