...兄が家の事も碌々片づかない中に...
有島武郎 「お末の死」
...母は碌々返事もしないで布巾(ふきん)をかけた精進の膳を出してすゝめた...
有島武郎 「お末の死」
...丁度客の顔をあたつて居た鶴吉は碌々見返りもしなかつた...
有島武郎 「お末の死」
...あゝして毎日碌々(ごろ/\)してゐて何をする積りなんですか...
石川啄木 「鳥影」
...碌々(ろくろく)小学校すら卒業していない彼女の学力が不足であった...
徳田秋声 「あらくれ」
...お島は碌々(ろくろく)それには耳も仮さなかった...
徳田秋声 「あらくれ」
...お島は朝から碌々(ろくろく)物も食べずに...
徳田秋声 「あらくれ」
...碌々、薩南の一隅で、議論倒れに日を送っている時節では、無いようだ...
直木三十五 「南国太平記」
...末は新聞記者雑誌の編輯人なぞに雇はれ碌々(ろくろく)として一生を終るものあるを思はば...
永井荷風 「小説作法」
...碌々として瓦に伍することも出來なかつた...
中島敦 「山月記」
...其(その)夜(よる)は夫(をつと)の顏(かほ)さへ碌々(ろく/\)見上(みあ)げなかつた...
夏目漱石 「門」
...私は碌々聞いてもゐません...
牧野信一 「蔭ひなた」
...顔も碌々見えやしないぢやないの!」「山の連中に手紙を書かなければならないんだが...
牧野信一 「出発」
...たゞ黙つて碌々してゐるのではなく...
牧野信一 「毒気」
...たゞ碌々(ごろ/\)してゐると見られると...
牧野信一 「夏ちかきころ」
...碌々わたしの姿も見ず「おゝ...
牧野信一 「緑の軍港」
...五体は碌々(ろくろく)と徒食して...
吉川英治 「三国志」
...碌々(ろくろく)とあえぐ...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索