...碌々挨拶もしないで帰つて行つてしまつた...
有島武郎 「お末の死」
...まだ碌々遊びもしないと思ふ頃...
有島武郎 「お末の死」
...母は碌々返事もしないで布巾(ふきん)をかけた精進の膳を出してすゝめた...
有島武郎 「お末の死」
...碌々(ろくろく)熟睡する暇もなく愛の限りを尽したお前たちの母上が...
有島武郎 「小さき者へ」
...どんなに私が朝飯の味も碌々わからなかったか...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...見回ってくれますし……わたしたち碌々(ろくろく)...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...学校の教育も碌々(ろくろく)受けられないで...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...あの青白い顔……沈み切った力ない顔……ほほえみながら口も碌々(ろくろく)きかずに……...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...碌々(ろくろく)...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...碌々(ろくろく)たる凡弟子然(ぼんていしぜん)として孔子の前に侍(はんべ)っている姿は...
中島敦 「弟子」
...他の軍醫等は五月蠅がつて碌々取り合はぬので遂僕の處へばかり來るやうになつた...
長塚節 「開業醫」
...僕も三日といふもの碌々病院にも居ないで其家へ泊つて居た...
長塚節 「開業醫」
...何となく碌々(ごろ/\)としてゐる風だつた...
牧野信一 「F村での春」
...りら子は口などを利いては悪いのだらうと遠慮でもしてゐるらしく碌々返事もしなかつた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...途上で出遇(であ)っても碌々(ろくろく)挨拶(あいさつ)も交(かわ)したことのないほどの間柄なのである...
牧野信一 「吊籠と月光と」
...人間の前だとわけもなく臆病になつて碌々口も利けなかつたせゐか...
牧野信一 「剥製」
...碌々として老兵で終るといふ一人の凡々たる雜兵の眼から見たその時代ですね...
吉川英治 「折々の記」
...いつまでも碌々(ろくろく)蜀門の番犬に甘んじておるわけでもあるまいが」などと慨然...
吉川英治 「三国志」
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