...挨拶(あいさつ)さえ碌(ろく)にしなかった...
芥川龍之介 「俊寛」
...話も碌々(ろくろく)せずに...
芥川龍之介 「鼻」
...那(ああ)して毎日碌々(ごろごろ)してゐて何をする積りなんですか...
石川啄木 「鳥影」
...碌な娘ではないのだろう...
泉鏡花 「怨霊借用」
...尤も新聞さへ碌々読まんのが多いのだから...
内田魯庵 「家庭の読書室」
...毎日のように押掛けてきては碌(ろく)なことをいわない...
海野十三 「大脳手術」
...碌な食糧一つ持たずに...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...どうせ碌(ろく)な死に方はしまいという...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...碌(ろく)でもねえ野郎だ」この邪慳な声と仕方にびっくりして...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「乞食」
...此処の家には碌(ろく)なシャンパンはないと云う口実の下に...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...家の女中に手をつけるほど耄碌はしていない...
豊島与志雄 「死因の疑問」
...矢立の杉が唸ると山に碌(ろく)なことはねえんだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...そんだが碌(ろく)に有(あ)りもしねえ肥料(こやし)ばかし使(つか)あれて」「おめえ植(う)ゑたんぢやねえのか」「なあに爺樣(ぢいさま)そつちこつちから持(も)つて來(き)て植(う)ゑたてたのよ...
長塚節 「土」
...この四五日(しごんち)は碌々(ろくろく)寐(ね)るひまもない位だと云う報知である...
夏目漱石 「それから」
...又もや王牌(キング)入の二二一(ピャチェリク)をならべをつた! 祖父の手は切札ぞろひと来てゐる! 碌々思案もせずに...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...碌々似てもゐやしねえぢやねえか...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...自分の子息(むすこ)や娘には碌な嫁も婿(むこ)も得られないと思つてたんだから...
正宗白鳥 「母と子」
...碌に顔も見ずにすぐ近い村へ里子にやって仕舞った...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
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