...碌碌不レ足レ算者爾...
佐藤一齋・秋月種樹(古香) 山田濟齋訳 「南洲手抄言志録」
...碌に身動きさへもしない...
芥川龍之介 「酒虫」
...保険は碌(ろく)についてゐないし...
芥川龍之介 「歯車」
...煤だらけな顔をした耄碌頭巾の好い若い衆が気が抜けたように茫然(ぼんやり)立っていた...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...それすら碌々に書いてもいない...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...碌々(ろくろく)旅の話一つしんみり為(し)ようともしなかった鶴さんが...
徳田秋声 「あらくれ」
...碌々私に返辞もなさらないんでしょう...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...他の軍醫等は五月蠅がつて碌々取り合はぬので遂僕の處へばかり來るやうになつた...
長塚節 「開業醫」
...ゆんべ碌に寢ねえから今日はねむくツてしやうがねえこんなことを思ひつゝ歩行いてるのではないかなどゝ考へるうちに遠くへ行き過ぎてしまふ...
長塚節 「月見の夕」
...そんだが碌(ろく)に有(あ)りもしねえ肥料(こやし)ばかし使(つか)あれて」「おめえ植(う)ゑたんぢやねえのか」「なあに爺樣(ぢいさま)そつちこつちから持(も)つて來(き)て植(う)ゑたてたのよ...
長塚節 「土」
...一兵卒にすぎない彼は野戦病院で殆ど碌に看護も受けないで死に晒されたのであった...
原民喜 「翳」
...碌に身体へもあてずに持って行った...
久生十蘭 「金狼」
...真暗闇の中で碌々眠ることも適はず...
牧野信一 「その村を憶ひて」
...その弟も今では碌(ろく)に兄の家へ寄りつかず...
松本泰 「秘められたる挿話」
...碌(ろく)に話もしないで往くなんて...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...耄碌(もうろく)しちゃいねえんだからな……ハハンだ」「文句を云わずにサッサと帰れ...
夢野久作 「二重心臓」
...お前ら碌なことしやせんのや...
横光利一 「南北」
...碌々(ろくろく)一身の安穏のみを計る文官たちの弱音にひかれて...
吉川英治 「三国志」
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