...御礼さえ碌(ろく)にしない人が...
芥川龍之介 「アグニの神」
...現に彼が持っていた郊外の或地面などは生姜(しょうが)さえ碌(ろく)に出来ないらしかった...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...私は碌にドイツ語も出来ぬのに...
石川欣一 「山を思う」
...ひと通りの礼儀としての挨拶も碌々(ろく/\)せぬのだ...
犬養健 「愚かな父」
...待合に足を踏み入れるような奴に碌な者がいるもんかネ」「コレお照さん...
海野十三 「深夜の市長」
...随つて何時までも碌な発明も発見も出来ぬ様ならば...
丘浅次郎 「理科教育の根底」
...親父の代までは人が碌々(ろく/\)交際も為(し)ない程の貧しい身分で...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...與吉(よきち)が泣(な)きはせぬかと心付(こゝろづ)いた時(とき)碌(ろく)に洗(あら)ひもしないで出(で)て畢(しま)つた...
長塚節 「土」
...黒い奴(やつ)を碌さんの前に圧(お)しつけた...
夏目漱石 「二百十日」
...少しは歩行(ある)き好(い)いかも知れない」「うん」と碌さんは気のない返事をしたまま動かない...
夏目漱石 「二百十日」
...卵も牛乳も碌(ろく)に入っていない...
古川緑波 「甘話休題」
...ゐないから碌に出来ない...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...あんな碌でもない酒をがぶ呑みするから悪いんだ...
牧逸馬 「土から手が」
...飽きもせず彼等は私の部屋に碌々とし続けた...
牧野信一 「くもり日つゞき」
...蝋燭のやうにめつきりと耄碌してしまつた私と此の水車小屋の主人であるところの雪太郎と...
牧野信一 「バラルダ物語」
...あんなに碌(ろく)でもない片いじな昼も夜もない見張りをすることもいらない...
室生犀星 「しゃりこうべ」
...こういう耄碌(もうろく)武者を向けて来た秀吉の底意にたいして...
吉川英治 「新書太閤記」
...碌(ろく)な死にざまはしやしねえから見ているがいい」「……でも...
吉川英治 「宮本武蔵」
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