...碌な事業はせぬ、それで取るべき給料はきちんきちんと取っている、では……三年か五年か、それは分らないが、いずれにしても瘤にも寿命というものはあろう、いや、名村長、大ものの貫禄はいまや年一年減少しつつあると考えてもあえて間違いではないであろう...
犬田卯 「瘤」
...碌な手当もしないで棄て置いたらしい...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...待合に足を踏み入れるような奴に碌な者がいるもんかネ」「コレお照さん...
海野十三 「深夜の市長」
...医者は碌(ろく)すつぽ診ようともしないで...
薄田泣菫 「茶話」
...然らずんば碌さんほど悟るがよろしい...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...夜も碌々(ろく/\)寝られねえに...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...己(おの)れは碌(ろく)な教育を受けなかったといったからとて...
新渡戸稲造 「自警録」
...あなたもだいぶ耄碌(もうろく)なすったね...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...いい加減の碌でなしに違いない!とでも考えているようだった...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...碌々あたりに注意もはらはず...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...折角なつた果物を喰べられもしないうちから無駄にするやうな人間は碌なものにはなれないぞ...
牧野信一 「蔭ひなた」
...いつも憤(む)つとしてゐるやうな不気嫌さうな赤銅色の大きな顔で相手が何か話しかけても碌な返事もせず反方(そつぽ)の空ばかり向いてゐるのだ...
牧野信一 「その村を憶ひて」
...碌でもないことだろうと予想はしていたが...
宮嶋資夫 「恨なき殺人」
...チャラピタは碌(ろく)に狙ひをつけるひまもなく...
宮原晃一郎 「熊捕り競争」
...だいぶ耄碌(もうろく)しておりましたで……それで娘に逃げられたのを苦に病んで...
夢野久作 「笑う唖女」
...やくたいもない耄碌(もうろく)をば...
吉川英治 「平の将門」
...すっかり耄碌(もうろく)してしまって...
吉川英治 「宮本武蔵」
...碌(ろく)な死にざまはしやしねえから見ているがいい」「……でも...
吉川英治 「宮本武蔵」
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