...碌々聞きもしないで又急に話をかへた...
アナトール・フランス Anatole France 芥川龍之介訳 「バルタザアル」
...俺のライフはまだ碌に青くさへならないと云ふ返事だ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...到底碌な仕事は出来ぬ...
丘浅次郎 「理科教育の根底」
...嘘一つ吐(つ)けないやうな碌(ろく)でなしでは...
薄田泣菫 「茶話」
...今年二十歳だが碌にイロハも読めぬ女だ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...碌にあそんでもいかないでさ...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...碌(ろく)に地揚(じあげ)もしないんだから...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...碌に見る所もない新聞だからぢきに不用になつた...
長塚節 「旅の日記」
...「あすこへ登るんだね」と碌さんが云う...
夏目漱石 「二百十日」
...どうせ碌な所ではあるまい...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...独身の僕まで聞いてるよ」「アリストートル曰(いわ)く女はどうせ碌(ろく)でなしなれば...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...あの耄碌親爺に入口の扉を開けさせをつたのぢや...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...」と碌々顔もあげないで答へた...
牧野信一 「奇友往来」
...たゞ黙つて碌々してゐるのではなく...
牧野信一 「毒気」
...――叔母と碌々口もきかず直ぐに二階の自分の室へ戻ると……財布をいきなり力いつぱい畳へ叩き付けた...
牧野信一 「白明」
...それも一度見合をしたばかりで碌(ろく)に顔も見ず口も利(き)かないで夢中でお嫁に行くようなのは気の進むも進まんもありませんけれども親たちが久しく交際して自分もしばしばその人を見る場合があれば自(おのず)から気の進む人と進まない人が出来ます...
村井弦斎 「食道楽」
...「それらはみな碌々(ろくろく)たる小人のみで論ずるにも足らん...
吉川英治 「三国志」
...碌(ろく)な死にざまはしねえぜ)などと世間の声が...
吉川英治 「鍋島甲斐守」
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