...自分は獨りで相變らず思索と筆硯とに親しんだが...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...報酬のすくない筆硯を投げうち...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...硯友社の社則がその頃の青年の集会の会規と何処(どこ)かに共通点があるのを発見して...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...硯友社は未だ高等学校内の少年の団体であって世間に顔出ししてなかった...
内田魯庵 「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」
...石橋の三氏が中心となって組織した硯友社(けんゆうしゃ)も無論「文学士春の屋おぼろ」の名声に動かされて勃興したので...
内田魯庵 「明治の文学の開拓者」
...私の硯箱(すずりばこ)がひっくりかえり...
太宰治 「男女同権」
...頑丈な紫檀の硯箱と精巧な玻璃細工のインクスタンドが並んでいる...
豊島与志雄 「坂田の場合」
...人々の前には、茶、菓子、火鉢、硯、料紙と、それだけが並んでいた...
直木三十五 「南国太平記」
...聊(いささ)かの暇(いとま)あればわが心付(こころづ)かざる中(うち)に机の塵(ちり)を払ひ硯(すずり)を清め筆を洗ひ...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...硯も普通市販の品の一種を用いただけであった...
中谷宇吉郎 「硯と墨」
...墨が硯の上を一センチ動いた時に...
中谷宇吉郎 「硯と墨」
...以上で寺田先生の硯と墨の研究は終っている...
中谷宇吉郎 「硯と墨」
...墨や硯のことになると...
中谷宇吉郎 「露伴先生と科学」
...番硯(ばんすずり)の禿筆(ちびふで)で根気よく鼻紙三枚半にのたくらせたものです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...大勘定(おほかんぢやう)とてこの夜(よ)あるほどの金をまとめて封印の事あり、御新造それそれと思ひ出して、懸け硯に先程、屋根やの太郎に貸付のもどり彼金(あれ)が二十御座りました、お筆お峯、かけ硯を此処へと奥の間より呼ばれて、最早この時わが命は無き物、大旦那が御目通りにて始めよりの事を申、御新造が無情そのままに言ふてのけ、術もなし法もなし正直は我身の守り、逃げもせず隠られもせず、欲かしらねど盗みましたと白状はしましよ、伯父様同腹(ひとつ)で無きだけを何処までも陳(の)べて、聞かれずば甲斐なしその場で舌かみ切つて死んだなら、命にかへて嘘(うそ)とは思しめすまじ、それほど度胸すわれど奥の間へ行く心は屠処(としよ)の羊なり...
樋口一葉 「大つごもり」
...紺色支那やきの硯屏(けんびょう)の前においてある...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...筆硯杯盤香気飄...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...硯(すずり)だの...
吉川英治 「新書太閤記」
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