...硯が一面入っており...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...明けていふと、活東の其の柳橋の番傘を隨筆に撰んだ時は、――其以前、糸七が小玉小路で蛙の聲を聞いてから、ものゝ三十年あまりを經て居たが、胸の何處に潜み、心の何處にかくれたか、翼なく嘴なく、色なく影なき話の種子は、小机からも、硯からも、其の形を顯はさなかつた、まるで消えたやうに忘れて居た...
泉鏡花 「遺稿」
...ツマリ『我楽多文庫』は硯友社の名題(なだい)披露の初舞台で...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...硯友社員に非(あら)ざる露伴の『風流仏』を紹介したのは『新著百種』の最も大なる貢献であった...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...硯友社の名は新時代の若い文人の集団としてその時既に読書界を騒がしていた...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...相共(あいとも)に提携して硯友社を組織した仲であった...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...枕もとの硯箱を引き寄せて...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...そこに取出された蒔繪の硯箱を押戴くやうにした...
田山花袋 「道綱の母」
...それが総べて硯友社から系統を引いてゐて...
田山録弥 「明治文学の概観」
...次に硯(すずり)の蓋をしにかかりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...次に硯の水の問題がある...
中谷宇吉郎 「硯と墨」
...それから硯の水の問題にもかなり立ち入った研究がされてあった...
中谷宇吉郎 「寅彦夏話」
...筆硯(ひっけん)に命を籠(こ)むる道也(どうや)先生は...
夏目漱石 「野分」
...紙硯を前に羽織袴で控えていた...
橋本五郎 「自殺を買う話」
...紫の女王は硯(すずり)を引き寄せて無駄(むだ)書きを始めていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それに印籠の絵が描いてある傍に硯箱...
山中貞雄 「恋と十手と巾着切」
...(後節「明治女芝居と娘義太夫」参照)硯海太夫と鶴彦翁義太夫と一中節の掛合政客中の粋人大岡硯海(育造)先生...
山本笑月 「明治世相百話」
...硯(すずり)が与えられる...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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