...この硯をみるたびに中島先生のご恩をしみじみと感じるのであります...
上村松園 「あのころ」
...当時の硯友社や根岸党の連中の態度は皆是であった...
内田魯庵 「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」
...病人は家来の一人に唐渡の香箱と硯を持って来さして...
田中貢太郎 「人面瘡物語」
...御苦労」大奴は硯(すずり)の下にあった団扇(うちわ)を取って...
中里介山 「大菩薩峠」
...石の硯に比して金属の硯は墨のおり方が少ないということとは...
中谷宇吉郎 「硯と墨」
...素人は墨と硯と紙とを吟味するより他に楽しみが無いのだから仕方がない...
中谷宇吉郎 「硯と墨」
...七田口は硯箱(すずりばこ)と巻紙を取り寄せて...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...「おや?」平次は小机の上の硯に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あれ彼(あ)の懸(か)け硯(すゞり)の引出(ひきだ)しにも...
一葉女史 「大つごもり」
...二階へあがって硯(すずり)と筆をかり...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...あるいはマタ茶道ヲ千宗佐(せんそうさ)ニ受ケテ漆器ノ描金(びょうきん)ニ妙ヲ得硯箱(すずりばこ)茶器ノ製作ニ巧ミナリとあるが如き少しも意を解せず...
正岡子規 「墨汁一滴」
...硯(すゞり)の海へはふり込むと...
森鴎外 「細木香以」
...帳場の掛硯(かけすずり)の曳出(ひきだ)しからボロボロになって出て来た藤六の戸籍謄本によって...
夢野久作 「骸骨の黒穂」
...手に触れた硯箱(すずりばこ)を追い縋(すが)って来る小女めがけてタタキ付けると...
夢野久作 「骸骨の黒穂」
...鳩首の彫刻のある蒼黒い硯を出して指先で撫でながら...
横光利一 「旅愁」
...――硯(すずり)へ水を』と云った...
吉川英治 「篝火の女」
...硯に水もない小机に支えられていた...
吉川英治 「私本太平記」
...さらに硯筥(すずりばこ)をこれへと求めて...
吉川英治 「新書太閤記」
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