...前に申上げたやうな品物に、小倉の校服の上衣だの、硯だのを加へて、値踏(ねぶ)みをさせますと、四十錢の上は一文も出せないといふんです...
石川啄木 「雲は天才である」
...硯友社の彦左衛門...
泉鏡花 「薄紅梅」
...その硯は永年使用していましたが...
上村松園 「今日になるまで」
...硯だけは半分に割つては何(ど)うする事も出来なかつた...
薄田泣菫 「茶話」
...座敷に硯箱を備へ付けてない家は...
谷崎潤一郎 「文房具漫談」
...硯(マヽ)貝掘りにでも行きたかつたがそれも中止しなければならなかつた...
種田山頭火 「行乞記」
...硯友社の若い人達の光輝(かゞやき)の前に...
田山録弥 「明治文学の概観」
...夫(それ)から硯箱(すゞりばこ)の葢(ふた)を取(と)つて...
夏目漱石 「門」
...この紙と筆と硯(すずり)と...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...碧梧桐がその亡兄黄塔(きとう)の硯を持つて来て貸してくれた...
正岡子規 「病牀六尺」
...食後、硯箱、原稿紙、手入すべき投書など寝床近く寄せしめ置きたれど、喰ひ労れに労れたれば筆を取る元気もなくてまた枕に就く...
正岡子規 「明治卅三年十月十五日記事」
...筆と硯(すずり)を洗うために立ちあがった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...玄四郎が筆や硯を洗っていると...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...硯を探しに行くんですか...
横光利一 「旅愁」
...傍らの几(つくえ)にあった玉硯(ぎょっけん)をつかんで床に砕いたという...
吉川英治 「三国志」
...端渓(たんけい)の硯(すずり)...
吉川英治 「新・水滸伝」
...硯箱(すずりばこ)と料紙をそっちへ向けてにじり寄って行った...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...一ぷく吸つたまゝ私は宿から二三軒先の硯造りの家に出かけて二三の硯を買つた...
若山牧水 「梅雨紀行」
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