...予は硯(けん)に呵(か)し紙(し)に臨んで...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...荷風君にしても其處で私同樣硯友社の多くの先輩を知り...
生田葵山 「永井荷風といふ男」
...埃だらけの硯、齒磨の袋、楊枝、皺くちやになつた古葉書が一枚に、二三枚しかない封筒の束、鐵筆(ペン)に紫のインキ瓶、フケ取さへも載つて居る机の上には、中判の洋罫紙を赤いリボンで厚く綴ぢた、一册の帳面がある...
石川啄木 「病院の窓」
...硯(すずり)も机も埃(ほこり)だらけ...
泉鏡花 「薄紅梅」
...その時御褒美に硯を頂戴致しました...
上村松園 「想い出」
...偶然見附けたのが硯友社の標札であった...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...風呂敷から硯と原稿紙を出して並べた...
鈴木三重吉 「胡瓜の種」
...娘は棚の上の硯箱を下ろして葢を取る...
高浜虚子 「斑鳩物語」
...汚(きた)ない硯(すずり)箱をとり寄せて...
田山花袋 「田舎教師」
...当時の大勢力である硯友社に当るやうなことはしなかつた...
田山録弥 「紅葉山人訪問記」
...題材にも硯友社の人達とは自づから撰を異にしてゐた...
田山録弥 「明治文学の概観」
...次に硯(すずり)の蓋をしにかかりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...君に文書かんと借りしみ吉野の竹林院の大硯かな竹林院に泊つた人の話によると大硯があるさうだといつであつたか何かの話の序に誰かそんなことを云ひ出して大笑ひをした事があつた...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...手箱の上に大きい筆と硯(すずり)をのせてかかえて来た...
本庄陸男 「石狩川」
...最前の背の高い女中がすぐ半紙を三枚貼って長くした即席のビラと硯箱(すずりばこ)とを持ってきた...
正岡容 「寄席」
...石器、挽物(ひきもの)、硯(すずり)、墨、小刀、団扇(うちわ)など、多量の収獲が吾々を迎えた...
柳宗悦 「全羅紀行」
...山僧がそこへ届けて来た硯(すずり)...
吉川英治 「私本太平記」
...課業のすんだ硯(すずり)の墨を洗っていた...
吉川英治 「私本太平記」
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