...玉は或は砕けるかも知れない...
芥川龍之介 「続野人生計事」
...数年間日本にいたハバード夫人が私に、これは重い荷をつけた荷車が通り過ぎる音だといい、私はそれについては、何も心にかけなかったが、次の瞬間、砕けるような、きしむような、爆発するような、ドサンという衝撃が、建物全体をゆり動かし、まったく、もう一度この激動が来たら、建物は崩壊するだろうと思われた...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...眩暈(めまい)のしそうな波頭がパッパッと白く噛(か)み砕ける...
大阪圭吉 「灯台鬼」
...大海の波浪がその岩壁へ押し寄せて砕ける...
種田山頭火 「行乞記」
...舳部(じくぶ)に砕ける潮の飛沫(ひまつ)の中にすべての未来がフェードアウトする...
寺田寅彦 「映画雑感(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」
...その結果として後日私がこの経験を人に話す場合に「煉瓦が砕けるだろうと思って見ていたら...
寺田寅彦 「鑢屑」
...切ない恋の楽句が高まって砕ける頂点に達すると...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...自分達の耳には大きな波の石に砕ける音がどどんどどんと聞えた...
夏目漱石 「行人」
...甲羅は正(まさ)しく砕けるに極(き)わまった...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...当って砕けるつもりじゃが...
火野葦平 「花と龍」
...当たって砕ける覚悟で全力を尽くすだろう...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...あるときは流れのさまの岩に砕ける水煙りを浴び...
牧野信一 「バラルダ物語」
...波を蹴たてて滑つて行く舟の舳先で砕ける飛沫が鮮やかに白く光るより他に目を射るものもないのだ...
牧野信一 「円卓子での話」
......
槇村浩 「間島パルチザンの歌」
...濡れた砂を蹄のふむ音は浪のうち砕ける音に似ていた...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「髪あかきダフウト」
...あたりは日に輝き砕ける水柱にとり包まれた爽やかな競演を見る賑やかさだった...
横光利一 「旅愁」
...あえて当って砕けるのは愚の骨頂です」「旺勢は避けて...
吉川英治 「三国志」
...得物も砕けるかと見えながらなお...
吉川英治 「三国志」
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