...単純なる空気を呼吸したる肺臓は砂煙りに混じたる汚濁臭穢(しゅうあい)の空気を吸い込み...
饗庭篁村 「良夜」
...四つの蹄(ひづめ)に砂煙をまき上げて...
芥川龍之介 「偸盗」
...かすかな砂煙の中から囁くような声が起って...
芥川龍之介 「妖婆」
...自動車が砂煙を揚げて鐵砲玉のやうに飛んで來るところは好かつたねえ...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...とつぜん海底の丘のかげから急に砂煙(すなけむり)がむくむくとまるで噴火(ふんか)のようにたちのぼり始めたのを見つけたのだ...
海野十三 「海底都市」
...ぱっと砂煙を立てたが...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...砂煙が濛々と舞い上る...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...砂煙(すなけむり)を立てて追(お)い越(こ)して行った...
田山花袋 「田舎教師」
...反対側から同じような砂煙...
中里介山 「大菩薩峠」
...僕の方は絶えずわれわれを追い越して行くバスやトラックの砂煙(すなけむり)に腹を立てた...
西尾正 「墓場」
...砂煙の中に多くの肥車(こえぐるま)に逢うた...
西田幾多郎 「明治二十四、五年頃の東京文科大学選科」
...良い時でも砂煙の中に坐っているようなものです...
北條民雄 「いのちの初夜」
...明治四十二年八月十四日姉川地震(江濃地震とも言う)の時、伊吹山西側にある「白崩れ」及びその南に続く「大富崩れ」が大いに崩壊して、砂煙天をおおい、一時暗黒になったが、その時光を発したことは土地の人々がみな認めたと言う(小藤文次郎、地質学上の見地による江濃地震)...
武者金吉 「地震なまず」
...其(それ)が砂煙(すなけむり)を蹴立てるので広い場内が真白(まつしろ)に曇つて仕舞(しま)つた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...ひどい砂煙がこめていた...
吉川英治 「上杉謙信」
...凄まじい騎馬が砂煙を立って城下へ七...
吉川英治 「剣難女難」
...一陣の砂煙を彼方(かなた)に見た...
吉川英治 「新・水滸伝」
...もうもうと皮肉な砂煙を啓之助に残して行った...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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