...一人の女人(にょにん)や一つの想念(イデエ)や一本の石竹(せきちく)や一きれのパンをいやが上にも得ようとしている...
芥川龍之介 「十本の針」
...植物と言うものの気味の悪さ!蟇最も美しい石竹色(せきちくいろ)は確かに蟇(ひきがえる)の舌の色である...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...その中の二つは真盛りの奇麗な石竹...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...鉢植の赤と白との石竹の花が...
鈴木三重吉 「桑の実」
...根をおろして伸びてゆく不思議な「生命」の石竹色の夢...
薄田泣菫 「石竹」
...石竹(せきちく)...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...あるいは石竹(せきちく)の珍花を育てんと望み...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...石竹の鋭い匂(にお)いも漂っていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...石竹と青猫みどりの石竹の花のかげに ひとつの幻の屍體は眠るその黒髮は床にながれて手足は力なく投げだされ 寢臺の上にあふむいてゐるこの密室の幕のかげをひそかに音もなくしのんでくる ひとつの青ざめたふしぎの情慾そはむしかへす麝香になやみくるしく はづかしく なまめかしき思ひのかぎりをしる...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...また石竹(せきちく)を一輪画いた...
正岡子規 「病牀六尺」
...石竹を仏語でアレ(小さい目)...
南方熊楠 「きのふけふの草花」
...その頃は撫子と石竹を別たなんだのだ...
南方熊楠 「きのふけふの草花」
...栽培する石竹の原種だとみゆ...
南方熊楠 「きのふけふの草花」
...林述斎曰く、桜の前の彼岸桜、牡丹の後の芍薬、カキツバタの後の花菖蒲、撫子の前の石竹、菊の後の寒菊、何れも品格は劣れども、又すて難くやとは、憲政会連が若槻首相を評する様に聞える...
南方熊楠 「きのふけふの草花」
...今さきをる石竹科の花に...
南方熊楠 「きのふけふの草花」
...花びらはだん/\と石竹色になりました...
宮原晃一郎 「虹猫と木精」
...石竹(せきちく)などさき乱れたり...
森鴎外 「みちの記」
...石竹色のしなやかな素足に...
夢野久作 「継子」
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