...彼はそれ等の石塔の向うにかすかにかがやいた海を眺め...
芥川龍之介 「或阿呆の一生」
...母の石塔(せきとう)の左側に父の墓はまだ新しい...
伊藤左千夫 「紅黄録」
...我儘な男寺の前の石塔のかげに彼は眠つて居た...
千家元麿 「自分は見た」
...此処だわね?』種子の眼には小さな石塔が映つた...
田山録弥 「草みち」
...正面には年経たる石塔あり...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...石塔の代を盲目(めくら)の兄のところへ返して...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...それを自分のものにしようとしたからだ」「妾はそんなことは致しませぬ」「いまに思い知る時が来る」竜之助が石塔の頭へ手をかけて立ち上った時に...
中里介山 「大菩薩峠」
...石塔の高さは台石ともに二丈もあろう...
中里介山 「大菩薩峠」
...石塔も無けりゃあ...
中里介山 「大菩薩峠」
...この二つの石塔が...
中里介山 「大菩薩峠」
...石塔を叩(たた)いてるところを坊主に見つかって剣突(けんつく)を食ったじゃないか」と主人も負けぬ気になって迷亭の旧悪を曝(あば)く...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...怪しの物は石塔の頭を四つ五つ飛んで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...母さま母さま私を引取つて下されと石塔に抱きつきて遠慮なき熱涙...
樋口一葉 「ゆく雲」
...母(はゝ)さま母(はゝ)さま私(わたし)を引取(ひきと)つて下(くだ)されと石塔(せきたう)に抱(いだ)きつきて遠慮(ゑんりよ)なき熱涙(ねつるい)...
一葉女史 「ゆく雲」
...石塔があれば石塔も運んで来るでしょう...
森鴎外 「渋江抽斎」
...この寺は新羅(しらぎ)時代の石塔石燈(せきとう)を以て殊(こと)に名がある...
柳宗悦 「全羅紀行」
...堂の前には山神の字を刻みたる石塔を立つ...
柳田国男 「遠野物語」
...長政は、石塔のうしろに、ほんとにもう死せる人のように、坐っていた...
吉川英治 「新書太閤記」
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