...蠣殻(かきがら)のついた粗朶垣(そだがき)の中には石塔が幾つも黒(くろず)んでゐた...
芥川龍之介 「或阿呆の一生」
...春先の午後の日の光の中に黒ずんだ石塔を眺めながら...
芥川龍之介 「点鬼簿」
...青草に埋れた石塔に腰打掛けて一人泣いたり...
石川啄木 「葬列」
...九代以前より始りしが代々九代の石塔...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...頼まれると蕎麦(そば)屋の看板だの石塔だのを平気で書いた...
薄田泣菫 「茶話」
...さてその石塔は、しのんで城からはこび出しまして、みずうみのそこふかく、竹生しまから八丁ばかりひがしの沖へしずめましたので、それを見ました城中のものどもは一途(いちず)に討ちじにを心がけるようになったのでござります...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...非常に大きな五輪の石塔の前に立っている...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうして十円もかけておやじのためにこしらえてやった石塔をほめてもらってくれと言うんだそうだ...
夏目漱石 「三四郎」
...友達から醵金するといつても今石塔がやつと出来たばかりで又金出してくれともいへず...
正岡子規 「墓」
...柳田君が遠州相良邊の崖の横穴に石塔と共に安置した馬の髑髏などは...
南方熊楠 「人柱の話」
...素朴ないかにも利休が好きさうな石塔であつた...
室生犀星 「京洛日記」
...つまりそんな所には石塔なんぞは一つもないのでございます...
森鴎外 「渋江抽斎」
...またその記念のために多数の石塔を建てたり...
柳田国男 「年中行事覚書」
...土佐高岡郡多野郷の賀茂神社にある八百比丘尼の石塔の事を記しているが...
柳田国男 「雪国の春」
...日陰の石塔を見るような冷たい人間になってしまうので...
夢野久作 「鉄鎚」
...出来るだけ賑やかに葬式をしてやれ」というので立派な石塔を建てた上に永代回向(えこう)料まで納めてしまったが...
夢野久作 「近世快人伝」
...石塔(せきとう)の一つも建って貰えれば有難いし...
吉川英治 「魚紋」
...その首を埋めたという苔むした石塔が...
吉川英治 「随筆 新平家」
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