...かの有名な田中の石地蔵の背(せな)を星明りに撫づるをさへ...
石川啄木 「葬列」
...石地蔵は死物なれば発汗する道理なけれども...
井上円了 「おばけの正体」
...鳥居の影は石地蔵には射さない様じゃありませんか」「二三間横にそれているね」諸戸はがっかりした調子で云った...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...殆ど石地蔵と肩を並べる高さに達した...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...さびしげに立てる石地蔵の前に...
大町桂月 「月譜」
...・近道の近道があるをみなへし・こゝから下りとなる石仏・山の朝風の木が折れてゐる・ほんにうまい水がある注連張つてある・どうやら道をまちがへたらしい牛の糞・住めば住まれる筧の水はあふれる近道近かつた石地蔵尊うらは蓮田で若いめをとで・はだかではだかの子にたたかれてゐる・波音のガソリンタンクの夕日・一切れ一銭といふ水瓜したたる八月十日朝の山を眺めながら朝酒を味はつた...
種田山頭火 「行乞記」
...背向(うしろむ)きの石地蔵(いしじぞう)が...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...あたかも道傍の石地蔵尊に向かって講談を試むるがごとく...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...堂の中の石地蔵は頭の上にまで...
直木三十五 「南国太平記」
...どうしても動かないんですって」「よっぽど重い石地蔵なのね」「ええ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...面白い考えだな」「主人山三郎の石地蔵を抱いて死んでいたという死に顔は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その書写または朗読したものを列挙するのは、当時の好尚を示すに足ると思うから、今繁を厭(いと)わずしてこれを掲げると、先ず絵巻の種類では『山寺法師絵巻』、『本願寺曼陀羅縁起』、『石山寺縁起』、『誓願寺縁起』、『因幡堂縁起』、『みしまに絵詞』、『源夢絵詞』、『春日権現霊験絵詞』、『東大寺執金剛絵詞』、『石地蔵絵詞』、『翻邪帰正絵詞』、『石山絵詞』、『介錯仏子絵詞』、『三宝絵詞』、『弘法大師絵詞』、『北野縁起絵詞』等で、このほかに書いたでもなく、また読んだでもなく、勅命によって一見を仰せつけられたものは数々あった...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...アンナ・グリゴーリエヴナ! あの娘(こ)は石地蔵そっくりで...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...石地蔵と仇名したのは幾分うなづかれもするが...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...遠州国安(くにやす)村の石地蔵などは...
柳田國男 「日本の伝説」
...石地蔵が和尚に告げ口をしたために常陸かいどうの身の上が露(あらわ)れた...
柳田国男 「山の人生」
...石地蔵を絶倒させるに到っては正に湊屋仁三郎の日常茶飯事(おてのもの)であった...
夢野久作 「近世快人伝」
...道傍に石地蔵の並んだ所もあった...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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