...知らず識らずの間に俺は多少の人を踏臺にして此處まで來てゐるのだと思ふ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...知らず識らずその色彩を以て自然を上塗りしてゐたのだ...
有島武郎 「描かれた花」
...人をして知らず識らず風雅の思想に富ましむ...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...知らず識らず震慄(しんりつ)して且つ一身は萎靡(なえ)るが如きを覚えたり...
関寛 「関牧塲創業記事」
...交通を堰(せ)かれている間に知らず識らず彼を恋い始めていたのではなかったか...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...知らず識らずに病毒がひろがつて居る...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...そして知らず識らず足をゆるめていると...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...そうまでなった所以は、この心理解剖が全然説明のためのものであって、説明のための説明のあまりに、知らず識らず、現実の仮想にまでふみ出してしまったからである...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...自分でも知らず識らずにだよ...
豊島与志雄 「裸木」
...知らず識らず向うの話声に耳を澄した...
豊島与志雄 「反抗」
...自分が知らず識らず縋りついていった唯一の慰安だった...
豊島与志雄 「反抗」
...知らず識らず胸に企(たくら)んでいたことが...
豊島与志雄 「反抗」
...知らず識らず馴れてしまっていた...
豊島与志雄 「二つの途」
...花時には御客の昆虫が来集し花中の蜜を吸いつつ知らず識らず雄蕊の花粉を花柱頂の柱頭に着け媒助してくれるので...
牧野富太郎 「植物記」
...それは早く蘆花の影響で知らず識らずの間に私のうちに育ったものである...
三木清 「読書遍歴」
...それも彼の怜悧な本能が知らず識らずのうちに見付け出したもので...
水野仙子 「醉ひたる商人」
...知らず識らず歴史に縛られた...
森鴎外 「歴史其儘と歴史離れ」
...知らず識らずそれも習慣となると...
横光利一 「旅愁」
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