...「財務調査が済んだからといって、無闇矢鱈に支出を増やすわけにはいかない」...
...無性矢鱈(やたら)に刎歩行(はねある)く...
泉鏡花 「薄紅梅」
...無暗矢鱈(むやみやたら)に藻掻(もが)き廻るその裸形(らぎょう)の男三人...
海野十三 「電気風呂の怪死事件」
...矢鱈(やたら)に短冊の書損ねを行つてゐる...
薄田泣菫 「茶話」
...矢鱈(やたら)に我儘(わがまま)を言い...
太宰治 「帰去来」
...矢鱈(やたら)に私にお追従(ついしょう)ばかりおっしゃるので...
太宰治 「千代女」
...「English at the Commercial School」といふ文句を矢鱈に原稿紙の上に並べてゐる中にポツとこんなことを思つた...
中原中也 「その頃の生活」
...「あんなに本を買って矢鱈(やたら)に詰め込むものだから人から少しは学者だとか何とか云われるんですよ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...それで謂(い)わば矢鱈(やたら)に読んで見た方であるが...
「私の経過した学生時代」
...矢鱈(やたら)に人を縛つてどうするんだ」幾間か隔てて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...世故にたけた如才ない医者が甘くさえしてやれば患者が悦ぶと思って矢鱈に甘味をつける水薬同様...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...かう碌でもない活版刷の反古ばかり矢鱈に殖えた日には...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...矢鱈無性に掻きよせて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...無邪気な悪ふざけで矢鱈に放言したり...
牧野信一 「熱い風」
...人が勝手に好きでする事を矢鱈に干渉して自分の徳に成るでもない事を一生懸命に云って居るのを子は可笑しくも思ったけれ共実際其の唐突な事の成り行きと彼(あ)の妙な重三の事を思うと変に考えずには居られない様でもあった...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...ただ無暗矢鱈(むやみやたら)に奇抜突飛な...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...矢鱈(やたら)に身を持崩していたのを...
夢野久作 「二重心臓」
...お芝居で孝行者に同情した近所の者なぞは矢鱈(やたら)に鼻をこすり上げます...
夢野久作 「鼻の表現」
...自分も物を矢鱈(やたら)に買う気だけは起らないといっても...
横光利一 「馬車」
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