...よく見ると二人の帆走っているのは海原(うなばら)ではなくって美しくさきそろった矢車草(やぐるまそう)の花の中でした...
ストリンドベルヒ August Strindberg 有島武郎訳 「真夏の夢」
...」矢車草十お源のその慌(あわただ)しさ...
泉鏡花 「婦系図」
...まあ! 紫と、水浅黄と、白と紅(くれない)咲き重なった、矢車草を片袖に、月夜に孔雀(くじゃく)を見るような...
泉鏡花 「婦系図」
...河野英吉と床の間の矢車草……お妙の花を争った時から...
泉鏡花 「婦系図」
...矢車草(やぐるまさう)...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...」花の咲かぬ矢車草...
太宰治 「失敗園」
...燕麦(からすむぎ)や矢車草のはえている野を喜んで散歩し...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...矢車草などと色とりどりにちらばっていて...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
......
野口雨情 「沙上の夢」
...梭の音矢車草の 咲く村で日の暮れ頃だと思やんせトントン カラリと梭の音トントン カラリと梭の音矢車草の 咲く村で糸より細いと思やんせトントン トロリと唄の朝トントン トロリと唄の朝...
野口雨情 「沙上の夢」
...束(たば)の大きい矢車草がぞっぷりと水につけられていた...
林芙美子 「魚の序文」
...マアガレットや、菜の花や、矢車草や、カアネイションが一本ずつ差してあるが、それに灯火(あかり)のあたっている風情は、花って本当に美しいものだと見とれてしまう...
林芙美子 「生活」
...彼のすぐ眼の前の地面に金盞花(きんせんか)や矢車草の花が咲き...
原民喜 「永遠のみどり」
...足もとの矢車草の花に眼を移すか...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...門へゆく迄(まで)に、手入れをしない花壇があって、ダアリヤ、矢車草、孔雀草(くじゃくそう)などが緑の島のように、ぼっさりと繁っていた...
松本泰 「秘められたる挿話」
...手に刺さりそうな鋭い矢車草の葉のもり盛った花瓶の絵の前へ歩を移した...
横光利一 「旅愁」
...矢車草とつい話が長くなる...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
...そして、めいめいに、気が向けば、畝(うね)のへりで、同郷出身の女、矢車草の花と、つい話が長くなる...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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