...矢庭に馳せていつて見ると...
飯田蛇笏 「秋風」
...矢庭に飛びついてお夏の手を握つた...
石川啄木 「葬列」
...出した其手で矢庭に畳に突いたお利代の手を握つて...
石川啄木 「鳥影」
...野村は矢庭に女の腕を握つた...
石川啄木 「病院の窓」
...矢庭に側の太い電柱にとびつき...
海野十三 「空襲葬送曲」
...矢庭に背後に跫音(あしおと)がして...
海野十三 「深夜の市長」
...彼は矢庭に外套と帽子をとると...
江戸川乱歩 「算盤が恋を語る話」
...その時、矢庭に夫は、下駄を突っかけて外に飛び出ようとしました...
太宰治 「ヴィヨンの妻」
...「本当かい?」「お前がわるいんだ!」矢庭に兄の頬(ほお)を殴った...
太宰治 「正義と微笑」
...客の男は矢庭にポケツトから紙幣束(さつたば)を掴出して...
永井荷風 「にぎり飯」
...陣笠を被つて槍を持つた男が矢庭に私の胸倉を取て二階に客が有るに相違ない...
楢崎龍、川田雪山 「千里駒後日譚」
...矢庭に斧を振りあげて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...矢庭に声を張りあげて...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...さうかと思ふと矢庭に眼近かに吹き寄せて...
牧野信一 「熱い風」
...矢庭に竹籔の奥を目がけて足袋跣足で向つて行つた...
牧野信一 「肉桂樹」
...今度は矢庭にその唇に接吻を求めた...
牧野信一 「夜の奇蹟」
...ここぞと思うと首を廻して矢庭に敵の胴腹へ突撃した...
横光利一 「旅愁」
...するとこの時何者かが矢庭に背後から彼を引っつかむと...
渡辺温 「絵姿」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??