...お定は矢庭に兩手で力の限り男を抱擁(だきし)めた...
石川啄木 「天鵞絨」
...そして矢庭に、そこに積んであった書籍をドンドン床の上に落した...
海野十三 「深夜の市長」
...矢庭(やにわ)にそのシャンデリアがどっと音をたてて...
海野十三 「大使館の始末機関」
...矢庭(やにわ)に反対の右の方へ二足三足寄ったものですから...
江戸川乱歩 「赤い部屋」
...矢庭(やにわ)に立上って...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...独軍の塹壕で矢庭に小銃の爆(は)ぜる音がしたが...
薄田泣菫 「茶話」
...矢庭に受話器を叩きつけるやうな音がして電話は切れてしまつた...
薄田泣菫 「茶話」
...矢庭(やにわ)にお膳の寒雀二羽を掴(つか)んでふところにねじ込み...
太宰治 「チャンス」
...(矢庭(やにわ)に食卓をひっくりかえす)久しぶりの平目(ひらめ)じゃないか...
太宰治 「春の枯葉」
...陣笠を被つて槍を持つた男が矢庭に私の胸倉を取て二階に客が有るに相違ない...
楢崎龍、川田雪山 「千里駒後日譚」
...何處からこれを持つて來やがつた」平次は矢庭に中腰になると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...親分は大事な身体だ」矢庭(やにわ)に平次の身体を横抱きにしたガラッ八...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...矢庭に大刀を振りあげて詰め寄つて来たに違ひないもの...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...矢庭に竹籔の奥を目がけて足袋跣足で向つて行つた...
牧野信一 「肉桂樹」
...隊長の姿が見えると兵士らは手にしてゐるシガレットを矢庭に放(はふ)り棄(す)てて整列する...
宮地嘉六 「老残」
...矢庭に斬りつけるという事件が起ったのである...
柳田国男 「故郷七十年」
...矢庭(やにわ)に何らの理由も必然性もなくくっつけ...
「純粋小説論」
...と、矢庭に、弁之助は棒をすてて喜兵衛に組み付き、巌石落(がんせきおと)しに大地に叩きつけた...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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