...矢庭にぶるぶるぶるんと顔を左右に猛烈に振つた...
芥川多加志 「四人」
...その白刃の触れ合う音、竹の柱の折れる音、蓆壁の裂け飛ぶ音、――そう云う物音が凄じく、一度に致したと思いますと、矢庭に甥が、二足三足後(うしろ)の方へ飛びすさって、「おのれ、逃がしてたまろうか...
芥川龍之介 「邪宗門」
...矢庭に馳せていつて見ると...
飯田蛇笏 「秋風」
...矢庭に街道を吹き立てて埃を巻きあげました...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...矢庭(やにわ)に身を躍らして...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...矢庭に駈け出したが...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...真青になって矢庭に秀ちゃん達を奥の方へ押し戻す恰好をした...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...宗三があっけに取られた事には矢庭(やにわ)にクツクツと笑い出したのである...
江戸川乱歩 「接吻」
...矢庭に懐の小刀(ナイフ)を抜くと...
江戸川乱歩 「双生児」
...その時、矢庭に夫は、下駄を突っかけて外に飛び出ようとしました...
太宰治 「ヴィヨンの妻」
...矢庭に瘤をむしり取る...
太宰治 「お伽草紙」
...矢庭にあの人を抱きしめ...
太宰治 「駈込み訴え」
...それを見た私は矢庭にとんでつて勝ちほこつてる岩橋を突き倒し...
中勘助 「銀の匙」
...矢庭(やにわ)に馬吉に組付くと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...矢庭に部屋から走りだした...
久生十蘭 「三界万霊塔」
...人気(ひとけ)のないはずの松の根方(ねかた)から矢庭(やにわ)に駈け出した一人...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...矢庭にギブスンが大声を上げた...
牧逸馬 「運命のSOS」
...エピキユール学校の校長が矢庭にスタートを切つて一目散に駈け出した...
牧野信一 「山彦の街」
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