...薬屋が売るクズウコン澱粉(*アロールート澱粉=矢の根デンプン)すなわち Maranta arudinacea のデンプンの大部分はジャガイモ澱粉とクズウコン澱粉の混合物である...
フレデリック・アークム Fredrick Accum 水上茂樹訳 「食品の混ぜ物処理および調理の毒物(1820)」
...さらにまた矢の根を伏せた後(のち)...
芥川龍之介 「古千屋」
...中堂金内の誉(ほま)れの矢の根...
太宰治 「新釈諸国噺」
...アウストラリヤ土人の如きは現在の石器時代人民の一例にして本邦諸地方に石の矢の根...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...なおまたその扉には矢の根の痕(あと)までついている...
中里介山 「大菩薩峠」
...「この紙きれは、これは確かに奈良朝ものですよ、古手屋の屏風(びょうぶ)の破れにほの見えたのを、そのまま引っぺがさせて持って来たのだ」「えろう古いもんでおますな」「それから、この金仏様(かなぶつさま)――これが奈良朝よりもう少し古い、飛鳥時代(あすかじだい)から白鳳(はくほう)という代物(しろもの)なのだ、これは四条の道具店の隅っこで見つけました」「よろしい人相してまんな」「こっちを見給え、ずっと新しく、これがそれ大津絵の初版物なんだ」「大津絵どすか」「大津絵といえば、藤娘、ひょうたん鯰(なまず)、鬼の念仏、弁慶、やっこ、矢の根、座頭(ざとう)、そんなようなものに限られていると思うのは後世の誤り、初代の大津絵は皆このような仏画なのだ」「そうどすか」「それから、ズッと近代に砕けて、これが正銘の珊瑚(さんご)の五分玉、店主はまがい物と心得て十把一(じっぱひと)からげにしてあったのを拙者が見出して来た、欲しかったら、お宮さん、君に上げましょう」「まあ、有難うございます」といったようなあんばいで、暇つぶしに彼は、山科から京都くんだりを遊んで来たもののようだが、必ずしも、そうばかりではないらしくもある...
中里介山 「大菩薩峠」
...矢の根の方へ近く結んだ文が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この春処刑になった大泥棒の矢の根五郎吉が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...矢の根五郎吉はすぐ捉(つか)まった...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その矢の根五郎吉が命にかけて隠しおおせた二千両の金を...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...矢の根五郎吉とやらの仕業であろう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その矢の根五郎吉が命にかけて隱し了せた二千兩の金を...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...矢の根は脂(やに)のやうにベトベト粘(ねば)つて居るぜ」「でも」「お妙を背中に乘つけて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...前に集めた礦物標本中の矢の根石は...
濱田耕作 「石鏃の思出話」
...秀郷蜈蚣(むかで)射たる矢の根一本献(たてまつ)る...
南方熊楠 「十二支考」
...またかりに前住民の用いたものを踏襲したとしてもその相続は吾々が野原で矢の根石を拾うなどとは事変り...
柳田國男 「地名の研究」
...おれが矢の根を日々磨ぎ澄まして...
山田美妙 「武蔵野」
...矢の根石や曲玉(まがたま)管玉等を採集に來る地方の學者――中學の教師などが旅籠屋(はたごや)の無いまゝによく自分の家に泊つては...
若山牧水 「古い村」
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