...中堂金内の誉(ほま)れの矢の根...
太宰治 「新釈諸国噺」
...アウストラリヤ土人の如きは現在の石器時代人民の一例にして本邦諸地方に石の矢の根...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...石器(せきき)―(石の矢の根...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...なおまたその扉には矢の根の痕(あと)までついている...
中里介山 「大菩薩峠」
...「この紙きれは、これは確かに奈良朝ものですよ、古手屋の屏風(びょうぶ)の破れにほの見えたのを、そのまま引っぺがさせて持って来たのだ」「えろう古いもんでおますな」「それから、この金仏様(かなぶつさま)――これが奈良朝よりもう少し古い、飛鳥時代(あすかじだい)から白鳳(はくほう)という代物(しろもの)なのだ、これは四条の道具店の隅っこで見つけました」「よろしい人相してまんな」「こっちを見給え、ずっと新しく、これがそれ大津絵の初版物なんだ」「大津絵どすか」「大津絵といえば、藤娘、ひょうたん鯰(なまず)、鬼の念仏、弁慶、やっこ、矢の根、座頭(ざとう)、そんなようなものに限られていると思うのは後世の誤り、初代の大津絵は皆このような仏画なのだ」「そうどすか」「それから、ズッと近代に砕けて、これが正銘の珊瑚(さんご)の五分玉、店主はまがい物と心得て十把一(じっぱひと)からげにしてあったのを拙者が見出して来た、欲しかったら、お宮さん、君に上げましょう」「まあ、有難うございます」といったようなあんばいで、暇つぶしに彼は、山科から京都くんだりを遊んで来たもののようだが、必ずしも、そうばかりではないらしくもある...
中里介山 「大菩薩峠」
...ことによると、その吹矢の根に、毒が塗つてあつたかも知れぬて」「え、そんな事があるでせうか」又左衞門の伜又次郎、これは次男に生れて家督(かとく)を相續した手堅い一方の若者、今では田代屋の用心棒と言つていゝ程の男です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...矢の根の方へ近く結んだ文が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...矢の根五郎吉はすぐ捉(つか)まった...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...矢の根五郎吉と見当をつけ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...この春處刑(しよけい)になつた大泥棒の矢の根五郎吉が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その矢の根五郎吉が命にかけて隱し了せた二千兩の金を...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...先の亭主の矢の根五郎吉に捨てられたのを怨んで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...矢の根は脂(やに)のやうにベトベト粘(ねば)つて居るぜ」「でも」「お妙を背中に乘つけて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...松前から來た安五郎が、熊狩の毒を持つて居るのを知つて、それをそつと持ち出し、岡崎屋の三十郎が、いつかお妙のところへ持つて來て忘れて行つた、楊弓の矢の根を、鏑矢(かぶらや)の根と入れ換へて、その中に毒を仕込んだのだらう」「それぢや、引つ返して、あの安五郎とお菊を縛りませう」「止せ/\、二人はもう奧州街道へ踏み出したよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「矢の根石」といふのがあつた...
濱田耕作 「石鏃の思出話」
...鹿矢(ししや)の骨片の矢の根は征矢(そや)の雁股(かりまた)になった矢鏃(やじり)ととり変えられた...
横光利一 「日輪」
...今も掘り出される矢の根石など...
横光利一 「夜の靴」
...矢の根石や曲玉(まがたま)管玉等を採集に來る地方の學者――中學の教師などが旅籠屋(はたごや)の無いまゝによく自分の家に泊つては...
若山牧水 「古い村」
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