...瞿麦(なでしこ)重ねの薄物の袙を着...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...瞿麦の花のようにパッと立ち上つて...
林芙美子 「清修館挿話」
...一輪の洋瞿麦(カアネーション)の事並に呑気なる鼻唄の事さて夕陽新聞記者古市加十は...
久生十蘭 「魔都」
...この無趣味索然たる建築場の中に高価な早咲きの洋瞿麦(カアネーション)が落ちているなど...
久生十蘭 「魔都」
...其処へ留守居をしていた者がひょいと寄ってきて「瞿麦(なでしこ)の種をとろうとしましたら...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...この世を背いて、家を出てまで菩提(ぼだい)を求めようとした人にな、留守居のものが何を言いに来たかと思うと、瞿麦がどうの、呉竹がどうのと、さも大事そうに聞かせているぞ」とお笑いになりながら仰ゃると、あの子も障子の向うでくすくす笑い出していた...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...「はぎの花を花(ばな)葛花(くずばな)瞿麦(なでしこ)の花...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...後には花びらの歯が細く裂けたを瞿麦...
南方熊楠 「きのふけふの草花」
...菅公の知人嶋田忠臣が禁中の瞿麦花を詠んだ詩が二つある...
南方熊楠 「きのふけふの草花」
...」詩は梅を詠ずる作と瞿麦(なでしこ)を詠ずる作との間に介(はさ)まつてゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...蘭軒の集に此家の瞿麦と菊との詩がある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...「真野松宇宅集、園中瞿麦花盛開、云是先人竹亭先生遺愛之種、因賦一絶為贈...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...蘭軒が真野松宇の庭の瞿麦(なでしこ)を賞したことを憶ひ出した...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...牽牛花(あさがほ)及瞿麦(なでしこ)である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...左右瞿麦(なでしこ)百合の二花紅白粧点す...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...瞿麦(なでしこ)の花を栽(う)えると天人が降りるということを聞いて...
柳田国男 「年中行事覚書」
...庭に瞿麦(なでしこ)を栽(う)えると天人が降りて来るということを...
柳田国男 「年中行事覚書」
...六月だから瞿麦(なでしこ)でも飾るだろうという空想の...
柳田国男 「木綿以前の事」
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