...その瞬間にはっと驚いたような顔をして立ちすくんでしまった...
有島武郎 「或る女」
...沽ろうとした瞬間に美徳が美徳でなくなるという第一義的な真理を本能の如く知っているのは彼女だ...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...次ぎの瞬間にはいきなりとられたまゆみの手に...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鷺娘」
...そして可愛(かわい)い初孫の顔を見た瞬間に...
大阪圭吉 「灯台鬼」
...しかしそれは各瞬間におこりつつある奇蹟なのだ...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...この夕刊売りの娘を後に最後の瞬間において靴磨きのために最有利な証人として出現させるために序幕からその糸口をこしらえておかなければならないので...
寺田寅彦 「初冬の日記から」
...その瞬間に子供の時から何度となく母上に聞かされていた土佐の安政地震の話がありあり想い出され...
寺田寅彦 「震災日記より」
...爆破の瞬間に四方にはい出したあのまっかな雲は実に珍しいながめであった...
寺田寅彦 「LIBER STUDIORUM」
...瞬間に、そうした余りに初心(うぶ)な自分の心を、自ら恥しくまた意外にも感じて、右手で額の毛を撫で上げながら、恐ろしく口早に云った...
豊島与志雄 「野ざらし」
...しかし突然その瞬間に...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...殆どその瞬間には驚愕(きょうがく)のあまり嫉妬(しっと)の怒りを発する暇がなかったくらいであった...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...恐ろしいまでに無意識のうちに最後の瞬間に今一度...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...たとえ一瞬間にもしろそれが見られたら...
堀辰雄 「美しい村」
...次の瞬間には案外落着いた気持で...
松本泰 「日蔭の街」
...「やむにやめない」卒倒の瞬間にも...
三好十郎 「恐怖の季節」
...その瞬間に何かが視覚を打たなければならない...
室生犀星 「冬の庭」
...気が付いた次の瞬間にはモウ銀次と小女の姿が部長室から消え失せていた...
夢野久作 「骸骨の黒穂」
...自動車を降りて眺めた瞬間に...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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