...はかなくも瞬時の蜃気楼(しんきろう)のように見る見るくずれて行くのを感じて...
有島武郎 「或る女」
...この瞬時の愛はかの天上の靈の相愛するに殊(こと)ならざるべし...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...それは一瞬時のことで...
田中貢太郎 「白いシヤツの群」
...そして彼らが夜陰から脱け出してくるのはただ一瞬時の間のみであって...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ニセモノ栄(ば)えがしねえじゃねえか」「放して下さい――怖いから」これはホンの一瞬時の出来事でしたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの鳥の鳴く音(ね)には瞬時の余裕もない...
夏目漱石 「草枕」
...佐倉の切り炭を描(えが)くは瞬時の閑(かん)を偸(ぬす)んで...
夏目漱石 「虞美人草」
...これまた瞬時の絶間なく天然自然と発達しつつとめどもなく前進するのである...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...瞬時の断間(たえま)もなく或(あるい)は消え或は輝きて...
夏目漱石 「幻影の盾」
...瞬時の苦痛が、よく肥った顔に凝集して、その凄まじさはまた格別です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...瞬時の苦痛が、よく肥つた顏に凝集して、その凄まじさはまた格別です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...殆んど一瞬時の出來事だつた...
萩原朔太郎 「中央亭騷動事件(實録)」
...貧しい漁夫の煙草の煙りとなつて瞬時の生を享けたこともあれば...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...この不思議な瞬時の感興をさまたげらるゝ惜しさを覚えて...
牧野信一 「馬車の歌」
...或一瞬時の心の浮動は...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...瞬時の閃きであるから...
柳宗悦 「二笑亭綺譚」
...瞬時の間に起って...
吉川英治 「三国志」
...どうかこれで成仏(じょうぶつ)しておくんなさい」あれから瞬時の後...
吉川英治 「新・水滸伝」
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