...この瞬時の愛はかの天上の靈の相愛するに殊(こと)ならざるべし...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...わずか五秒かものの十秒とも経たぬ瞬時の出来事なのであったが...
橘外男 「生不動」
...それは一瞬時のことで...
田中貢太郎 「白いシヤツの群」
...瞬時の光がちらりと射し込んだ時に...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...感が納まって夢に入りかけた瞬時の幻覚に過ぎないで...
中里介山 「大菩薩峠」
...ニセモノ栄(ば)えがしねえじゃねえか」「放して下さい――怖いから」これはホンの一瞬時の出来事でしたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...戛然(かつぜん)と瞬時の響きを起す...
夏目漱石 「薤露行」
...三つのものが巴(ともえ)の如く瞬時の休(やす)みなく回転した...
夏目漱石 「それから」
...瞬時の断間(たえま)もなく或(あるい)は消え或は輝きて...
夏目漱石 「幻影の盾」
...瞬時の苦痛が、よく肥つた顏に凝集して、その凄まじさはまた格別です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それも瞬時のことで...
久生十蘭 「キャラコさん」
...瞬時の恐怖は、この、凡ゆる異常時に慣れ切っている老刑事の神経をすら、強打したのだ...
牧逸馬 「アリゾナの女虎」
...或一瞬時の心の浮動は...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...瞬時の閃きであるから...
柳宗悦 「二笑亭綺譚」
...瞬時の暇もないらしい多忙さは気の毒なほどである...
横光利一 「夜の靴」
...瞬時の休息の隙もなく砕け散る光りの嬉嬉としているのが...
横光利一 「旅愁」
...けれどその気持と怒とは大抵瞬時の後に...
与謝野晶子 「鏡心灯語 抄」
...瞬時の後は、弓も弓隊も不用だということを意味している...
吉川英治 「私本太平記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??