...そのことですが……」と亀之介は葉巻の煙が目にしみるか瞬きをして「雇人たちはずいぶん早くから私の室の戸の外まで来てそれを知らせたそうですが...
海野十三 「地獄の使者」
...」紹鴎は吸ひつけられたやうに色紙に注いでゐた眼を二三度続けざまに瞬きした...
薄田泣菫 「茶話」
...シルヴァーは眼を瞬きもしなかった...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...あなたこそ気高い戦勝の歓びを持つ人!とはいえそこに一対の目があった――ただ一対だけ――それが瞬きもせずに...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...涙を一杯含んだ眼をぱちりと瞬きました...
豊島与志雄 「香奠」
...ちらと瞬きをして...
豊島与志雄 「二つの途」
...彼女は一寸瞬きをした...
豊島与志雄 「理想の女」
...□□です」といつたら「え」といつて縁先へ飛んできて暫くは瞬きもしずにひとの顔をのぞきこんだあげく涙をほろほろとこぼして「□さかや...
中勘助 「銀の匙」
...」と泰然として瞬き一ツせず却て僕の顔を見返した...
永井荷風 「申訳」
...この騒ぎは瞬きをする間のことで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...眼をあいて瞬きをしているつもりなのに...
久生十蘭 「肌色の月」
...黄の万花灯(ネオン・サイン)の光りが一斉に瞬きはじめてゐた...
牧野信一 「変装綺譚」
...そしてジョバンニは青い琴の星が、三つにも四つにもなって、ちらちら瞬き、脚が何べんも出たり引っ込んだりして、たうたう蕈のやうに長く延びるのを見ました...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...ぎょっとして瞬きのない一瞥のあいだにそれが誰であるかを見定めようとしていた...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...それから向うの遠い山のずつと先から火が一つ瞬きをしてゐる...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...そこから何かしら事件の秘密を見て取ろうとしているらしく瞬き一つしなかった...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...本職の者に両手を押えられても瞬き一つせぬ手練の早業...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
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