...』とお利代は大きい眼を瞬(しばたた)き乍ら...
石川啄木 「鳥影」
...痛いッと叫んだ瞬間に...
海野十三 「地中魔」
...マフチャズは私から瞬時も眼を放さない...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...かかる瞬間があるかないかを賭けをすることとなったのである...
中井正一 「美学入門」
...日(ひ)が西(にし)の空(そら)の土手(どて)のやうな雲(くも)の端(はし)に近(ちか)く据(すわ)つて漸次(だん/\)に沒却(ぼつきやく)しつゝ瞬(またゝ)いた...
長塚節 「土」
...一物と他物との合体の瞬間に於ける妙といふことを...
中原中也 「新短歌に就いて」
...また現在の自己の内に次の瞬間への自己の存続の原因は求められない...
西田幾多郎 「デカルト哲学について」
...人が時空と因果の外に飛翔(ひしょう)し得る唯一の瞬間...
萩原朔太郎 「猫町」
...あれはまるで思いがけない瞬間にやって来た...
原民喜 「原爆回想」
...一時間中たゞの一度だつて枝が元にはね返る瞬間もなく...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...沈没の瞬間まで船橋(ブリッジ)に立っていた...
牧逸馬 「運命のSOS」
...一九一七年十月、革命の第一の銃声が轟いた、その瞬間から、今日まで持続している問題だ...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...この瞬間に一変してくることを感じた...
室生犀星 「野に臥す者」
...いまこの瞬間にも...
山本周五郎 「さぶ」
...「瞬」が馬車を引っぱって...
夢野久作 「白髪小僧」
...それが又……あの通りウットリとした瞬(まばたき)のし方でもお察し出来ます通りに...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...……と思うと一瞬間にモトの表情に帰って眼を剥(む)き出しながら...
夢野久作 「老巡査」
...――主上には叡山(えいざん)へ御落去(ごらっきょ)あるぞ! ――と声大きく触れ出された瞬間からの光景といってはもう一(ひ)ト方(かた)な騒ぎではない...
吉川英治 「私本太平記」
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