...瞬(またた)く暇(ひま)もなく通(とほ)り過(す)ぎた...
芥川龍之介 「蜜柑」
...次の瞬間には振ひ落されてゐた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...その次の瞬間には...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...けれども、最後の瞬間まで、その性質には根のある悪意はすこしもなかった...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...そしてそう決心した瞬間...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...「何するんだ!」一瞬間...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...手の中で蝋燭が瞬くほど総身を震わせながら...
R.W. チェンバース R.W. Chambers The Creative CAT 訳 「四風の街」
...が、瞬間、私は慄然となる...
外村繁 「落日の光景」
...入室の瞬間から印象されたところのものが...
中里介山 「大菩薩峠」
...この粉雪につつまれた一瞬の静けさのなかに...
原民喜 「壊滅の序曲」
...鋏とボール紙で瞬く間に一都市が出来上つてゆく...
原民喜 「火の踵」
...都会の兇悪(きょうあく)な相貌がぐるぐると胸裡を駆けめぐりそれは一瞬たりとも彼のようなものの拠(よ)りつけそうにない場所に変っていた...
原民喜 「冬日記」
...このような瞬間に現われるこういう心配のもっともである点に完全に魅了されてしまったのでなければ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...ほんの瞬間ではあるが奇妙に放心したやうな虚ろな表情が浮んで...
北條民雄 「青年」
...彼女の女として幸福を感じる瞬間は...
宮本百合子 「権力の悲劇」
...そこで一瞬間の停止となつたが...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...深々と綿のあつい夜具へ身を入れる時――何うして一瞬の後に...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...敵を投げるには、投げる前にまずその考慮がなければならないのに、蛙でも叩きつけるように、脚下へ投げつけ、しかも身を退(ひ)くことをしなかったので、(してやった)と、思った瞬間に、太股のあたりを薙(な)ぎ払われて、彼もまた、相仆れに、負傷(てきず)を抑えたまま、腰をついてしまった...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??