...唯火を睹るよりも明かなるは大將の死が此の如き客觀的方面にも種々の問題を殘してゐることである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...殆(ほとん)ど火(ひ)を睹(み)るより明(あきら)かなことである...
井上準之助 「金解禁前後の經濟事情」
...今日以後の沖縄人に向象賢や蔡温以上の仕事の出来るのは火を睹(み)るよりも明(あきら)かであります...
伊波普猷 「琉球史の趨勢」
...其の室(しつ)を窺(うかが)えども睹(み)ることなし...
田中貢太郎 「牡丹燈籠 牡丹燈記」
...高架線の両側に聳(そび)える高層建築の景観を目睹(もくと)した時は...
谷崎潤一郎 「細雪」
...すなわちかりにここに微小な人間があって物質分子の間に立ち交じり原子内のエレクトロンの運動を目睹(もくと)しているがその視力は分子距離以外に及ばぬと想像する...
寺田寅彦 「物理学と感覚」
...大自然の直接教授を日々夜々に受けつゝ目睹耳聞体験心閲を筆にまかせて書き留めた『みゝずのたはこと』は...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...兩者の利害得失火を睹るよりも瞭かなるあるべし...
原勝郎 「貢院の春」
...このような境遇を目睹(もくと)することは...
久生十蘭 「地底獣国」
...自分の研究の結果を目睹(もくと)するために...
久生十蘭 「地底獣国」
......
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...予輩しばしば睹(み)た南米産の大蛙ケラトリフス・コルナタは両眼の上に角二つある...
南方熊楠 「十二支考」
...ベルトが睹(み)た尾長猴はいかにこんがらがった鎖をも手迅(てばや)く解き戻し...
南方熊楠 「十二支考」
...あるいは喜んで注視しあるいは妬(ねた)んで騒ぐを毎度睹(み)た...
南方熊楠 「十二支考」
...スプレンゲルはある人鬼がその妻を犯すを睹(み)...
南方熊楠 「十二支考」
...その時象が些細な蟹や鼠を見て太(いた)く不安を感ずるを睹(み)た...
南方熊楠 「十二支考」
...(二二)軼詩(いつし)を睹(み)るに異(あや)しむ可(べ)し...
箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
...さらに逆睹(ぎゃくと)すべからざることになる...
吉川英治 「神州天馬侠」
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