...尽きぬ睦言(むつごと)を語り合ったものでございますよ...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...夕立であっても秋雨であってもこの煙と雨とがたがいに生あるもののように睦み合う心持はありません...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...どうなんだ? 睦子を置いて行く気か?(数枝)(呆(あき)れた顔して)ま...
太宰治 「冬の花火」
...睦子はすぐ数枝のほうに走って行き...
太宰治 「冬の花火」
...一時(ひとしきり)鳴く音(ね)を止(とど)めた虫さえも今は二人が睦言(むつごと)を外へは漏(もら)さじと庇(かば)うがように庭一面に鳴きしきる...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...二人睦(むつ)まじい世間話...
中里介山 「大菩薩峠」
...と、覚ったらしく、坂田は、「あんなやりっ放しのお喋舌を嬶にしたら、それこそ一生の不作だったよ」と言い出して、すっかり諦めて、お睦が、男から男へと追っかけ廻るのを、嫉きもしないで、ただ、不快そうに眺めていた...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...二人の間は却つて――それが心からの融和はなかつたとは云へ――睦しさうにも見えるのである...
平出修 「瘢痕」
...亦自から効力あり又(また)私の内が夫婦親子睦(むつま)じくて私の行状が正しいからと云(いっ)て...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...」睦子は玄関の入口の「あけぼの母子ホーム」といふ大きな看板のかかつてゐる下で...
槇本楠郎 「母子ホームの子供たち」
...自身と同じように姫君から睦(むつ)まじく思われている若い女房で...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...普通の姉弟よりも仲の睦じい私どもに異った血が流れているかと思うと...
室生犀星 「幼年時代」
...いよいよ降参して兵たちの前に和睦と赦免を乞うべく...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...神戸へ飛んだっチ位だ」「……ナニ……何という……神戸へ……」睦田老人の声が突然にシャガレたので...
夢野久作 「老巡査」
...書面のうちにある和睦(わぼく)を乞うという主旨は...
吉川英治 「新書太閤記」
...羽柴方と和睦(わぼく)を取り結ばれた...
吉川英治 「新書太閤記」
...毛利方から和睦(わぼく)の使いに立てられて...
吉川英治 「茶漬三略」
...だから義昭は和睦に応じなかった...
和辻哲郎 「鎖国」
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