...着物の袖と袖の間に顔を突っ込み...
犬田卯 「一老人」
...着物の袖から逞しい両腕を高々と突きだしたまま...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...赤色にすりそめた着物の袖(そで)がじとじとにぬれました...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...そのシャツが着物の袖口(そでぐち)から...
太宰治 「おしゃれ童子」
...少年は着物の袖でせまい額の汗を拭って...
太宰治 「逆行」
...着物の袖口が擦り切れてなんかいない...
豊島与志雄 「怒りの虫」
...葉末の露が着物の袖を濡らした...
豊島与志雄 「道連」
...――砂をつかんだ! 無茶苦茶に投げた! 自分の着物の袖をひきちぎつた! 独楽のやうに狂つた! ……グラ/\と眼が廻つてゐるので暴れるのには却つて都合が好かつた...
牧野信一 「海棠の家」
...空色の着物の袖だけが見えていた...
松本泰 「P丘の殺人事件」
...臺所に物音をたてゝゐる母を思ひながら默つて着物の袖に手を通した...
水野仙子 「白い雌鷄の行方」
...子が十の時二つ上のお久美さんは最う沢山に延びた髪を桃割に結ってまるで膝切りの様な着物の袖を高々とくくり上げて男の子の様に家内の小用事をいそがしそうに立ち働いて居た...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...絣の着物の袖から手を出しながら...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...セルの着物の袖つけの所の大きくほころびたのを着て...
三好十郎 「好日」
...着物の袖で涙を拭く)……それ程...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...着物の袖を長くし...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...ゆっくりと着物の袖へ手を入れる...
山本周五郎 「寒橋」
...濡(ぬ)れくたれた着物の袖(そで)を焙(あぶ)っている...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...横から大惣が蒼白い手を伸べて私の着物の袖を引っぱりました...
夢野久作 「近世快人伝」
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